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証券新聞20091008

2009-10-08 (Thu) 14:37

Q.私は非上場会社(A)の社長であり、A社株式の90(180万株)を保有しています。
他の株主に弟
(甲、10(20万株)を保有)がいます。
 私は甲からA社株式の買い取りを求められていますが、買い取り資金がないため、
A社に買い取ってもらおうと考えています。買い取り価額によっては課税が生じると聞きましたが、
どのような課税が生じるのでしょうか、教えて下さい。

 なお、A社の純資産価額(時価)50億円、資本金等の額は2億円です。

20091008


A.個人から法人へ株式を譲渡した場合に、(1)みなし配当が、買い取り価額によっては、
(2)みなし譲渡、(3)みなし贈与課税が生じる場合があります。

(1)のみなし配当とは、法人(公益法人等及び人格のない社団等を除く。)の株主が、
自己株式の取得により金銭の交付を受けた場合において、その金銭の額が、その法人の
資本金等の額
うちその交付の基因となった株式に対応する部分の金額を超えるときは、
その超える部分の金額に係る金銭は、剰余金の配当とみなされて
当所得課税が生じることをいいます。
なお、非上場株式の譲渡の場合、譲渡益に対して20%の課税で済みますが、当所得は総合課税の対象となり、最高50%の累進税率となってしまいます。
たとえば、甲が5億円(時価50億円×10)で譲渡した場合、みなし配当は以下のように計算し、48千万円となります。

自己株式の譲渡により交付された金銭の額(5億円)
自己株式を取得した法人の取得直前の資本金等の額(2億円)
×
自己株式の取得株式数(20万株)
自己株式の取得直前の発行済
株式等の総数(200万株)

配当所得が48千万円の場合、税率を50%だと仮定すると、税額は24千万円(48千万円×50)となります。
(2)のみなし譲渡とは、個人から法人に、資産を時価より低い価額(時価の2分の1未満の額)
譲渡した場合、時価で譲渡したものとみなして譲渡所得を計算することをいいます。
たとえば、甲が2億円で株式を譲渡した場合、甲の持分比率が10%ゆえ、5億円(50億円×10)
2分の125千万円未満での譲渡となるため、2億円で譲渡されたとしても、時価(5億円)で譲渡が
行われたとみなして譲渡所得を計算することになります。
なお、時価の2分の1以上の額で譲渡したとしても、株式の譲渡先の法人が所得税法に定める
同族会社に該当する場合、同族会社の行為計算否認の規定が適用される可能性があります。
同族会社の行為計算否認とは、同族会社の行為又は計算のうち、同族会社の株主等の所得税の
負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、税務署長が否認することができる
というものです。
(3)のみなし贈与といわれるものには、相続税法第7条に基づくものと第9条に基づくものとがありますが、
ここでいうみなし贈与は第
9条に基づくものを指します。
つまり、自己株式の売買価額が著しく低額であるために、同族会社への譲渡者以外の株主等の
株式の価額が増加した場合には、その増加額は譲渡者から譲渡者以外の株主に贈与したものとして
贈与税課税されることをいいます。
たとえば、交渉の結果、A社が株式を2億円で買い取ることになったとします。
この場合、甲はA社に5億円のものを2億円で譲渡したため、あなたが保有するA社株式の
価額が増加します。よって、甲から
A社株主であるあなたにその増加した部分に相当する金額の
贈与が行われたとみなされる可能性があります。
そうなると、あなたは贈与税を支払う必要が生じます。
以上のようなことから、法人が個人から自己株式を取得する場合には、思わぬ多額の課税が
生じることがありますのでご留意ください。

このような取引を行う可能性が生じた際には、事前に顧問税理士等へ相談することをお勧めします。