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証券新聞20090527

2009-05-27 (Wed) 09:49
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Q1.先日、父が亡くなり、父が所有していた財産の整理をしていたところ、私名義の株式と銀行預金が発見されました。私は、これらの株式と銀行預金の存在を知りませんでした。
相続税の申告にあたり、これらの株式及び銀行預金は父の財産として相続財産に含める必要があるのでしょうか。上述した株式や銀行預金が、相続人の財産として認定される判断基準があったら、教えて下さい。

A1.株式または預金について、被相続人以外の配偶者や子等の相続人名義となっていますが、実質的には被相続人の所有であったものを、それぞれ名義株式あるいは名義預金といいます。このような名義株式ないし名義預金は、相続人が所有していた財産として相続財産に加える必要があります。
名義株式または名義預金の判断基準には、次のようなものが考えられます。
(イ)名義人の所得獲得能力の有無
(ロ)受取配当金または受取利息の費消者
(ハ)贈与税の申告の有無
(ニ)証券会社への届出印や銀行印
(ホ)株主総会招集通知や預金通帳などの管理実態
上記の判断基準に照らして、次のような場合には、名義株式または名義預金として相続財産として認定される可能性が高まると思われます。
(イ)名義人が株式の購入または預金の積立を行うだけの所得がない場合
(ロ)保有株式から発生する受取配当金または預金から発生する受取利息を、名義人の預金口座から実質所有者の預金口座に振替えて、実質所有者が費消している場合
(ハ)名義人名義とした株式または預金について、贈与税の申告が行われていない場合
(ニ)預金口座等の届出している印鑑が、名義人と実質所有者で同一である場合
(ホ)株主総会招集通知等または預金通帳、預金証書を実質所有者が管理している実態があった場合
 あなたは、発見された株式及び預金に関して、その存在をご存知なかったということですので、お父様が管理していたことは明らかであるため、実質的な所有者であるお父様の相続財産に含める必要があると考えられます。


 Q2.現在の相続税の税務調査の目的、税務調査の実施状況を教えて下さい。

 A2.
相続税の税務調査の目的は、次のとおりです。
(イ)       相続税の申告は、申告納税方式であるため、申告が適正に行われているかを確認するため
(ロ)       相続税の課税財産に申告漏れが生じた場合には、税務署長の更正処分等により二次的な税額確定を行うため
(ハ)       不正が発覚した場合には、重加算税などの厳しい処分を行うことにより課税の公平性に期するため
相続税の税務調査は、国税局及び税務署で収集した資料情報を基に申告額が過少であると想定されるものなどに対して実施されます。
平成19年度の相続税の税務調査の実施状況等は、次の通りです。被相続人数(死亡者数)は約111万人で、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は約47千人((1))です。被相続人宅、相続人宅、取引金融機関及びその他相続財産等に関係のある者に対して、国税局または税務署職員が臨場して行う税務調査は、13,845件((2))行われ、このうち申告漏れ件数は11,884件((3))でした。相続税額が発生した場合、その被相続人の約29.5%((2)/(1)×100%)に対して税務調査が行われ、税務調査実施件数の85.8%((3)/(2)×100%)で申告漏れが発生している状況です。税務調査が行われた場合には、かなりの確率で申告漏れが発見されるといえます。
税務調査で発見された申告漏れの相続財産の内訳は、現金・預金等が1,517億円、有価証券707億円、土地687億円と報告されています。現金・預金等及び有価証券といった金融資産の申告漏れが多いということから、税務調査では、相続税の課税対象となる金融資産について、特に厳格な調査が行われていることが推測されます。