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ゴルフ会員権の譲渡損失と損益通算(証券新聞20090325)

2009-03-25 (Wed) 10:56
 私はゴルフ会員権を保有しています。保有しているのは株式形態のゴルフ会員権です。
ゴルフ場運営会社の破綻の可能性もあり、このゴルフ会員権を売却することを考えています。
 取得価額とくらべると現在のゴルフ会員権の時価は大幅に下落しています。
ゴルフ会員権を売却し損失が生じた場合、所得税の確定申告上、他の所得との損益通算はできるでしょうか。株式等の譲渡所得と損益通算ができるのであれば、保有している上場株式を売却して益出ししようと考えています。


20090325

 ここ数年、男女問わず、若手プロの台頭により、ゴルフの人気は高まっています。
一方、バブル崩壊後、ゴルフ場の破綻が続き、ゴルフ会員権を保有している方には不安もあるでしょう。
ゴルフ会員権と一概にいっても、出資して株主になる株式形態のゴルフ会員権と、預託金形態のゴルフ会員権とがあります。 通常、有価証券の譲渡所得は、申告分離により課税されます。ご質問の株式形態のゴルフ会員権は、株式と会員権がそれぞれ別個のものとして存在すると考えられるものではなく、出資がゴルフ場を一般の利用者に比して有利な条件で継続的に利用する権利を有する者となるための要件とされているものです。
株式形態のゴルフ会員権の譲渡は、株式の譲渡というよりは権利(プレー権)の譲渡として考えられ、総合課税の対象とされています。
また、預託金形態のゴルフ会員権は、通常、譲渡所得として総合課税の対象となります。
ただし、預託金形態のゴルフ会員権でも、営利を目的として継続的に行われる場合は、事業所得または雑所得として同じく総合課税の対象となります。
結局のところ、ゴルフ会員権の譲渡は、株式形態のもの・預託金形態のものを問わず、総合課税の対象となります。
ご質問のゴルフ会員権の譲渡損失は、総合課税の対象となるため、株式等の譲渡所得と損益通算することはできず、総合課税の所得である給与所得あるいは事業所得などと損益通算することができます。損益通算のために、含み益のある上場株式などを売却する必要はありません。
ゴルフ会員権の譲渡損失の損益通算に関して、留意すべき点がいくつかあります。
まず、売却時にプレー権が存在することと、ゴルフ会員権の譲渡が実際に行われていることが必要です。
次に、売却前のゴルフ場運営会社の破綻など、状況によって損益通算できない場合があります。
たとえば、運営会社が破綻し、その後もプレー権が継続したとしても会員権自体は無価値(あるいは著しい価値の下落)となり、売却ができないことも考えられます。
保有したままだと損失を計上することができません。譲渡損失を計上して損益通算を行うためには、ゴルフ会員権を売却する必要があります。
これは、含み損の存在する状態では、譲渡損失を計上することはできませんし、損益通算(株式等の場合には株式等の譲渡所得内での損益通算となります。)もできません。
ゴルフ会員権の譲渡損失だけではなく、株式等の譲渡損失も同様です。
また、破産の場合には破産宣告と同時に、ゴルフ会員権は通常プレー権を失い、配当請求権に転換し金銭債権となります。
破産宣告後にそのゴルフ会員権を譲渡して譲渡損失が生じたとしても、その譲渡損失は、譲渡所得の基因となる資産の譲渡により生じた損失には該当しないため、他の所得との損益通算の対象とは原則としてなりません。
ゴルフ場運営会社に破綻懸念があるのであれば、破綻する前に、早めに売却することが得策と思われます。
また、ゴルフ会員権の譲渡損失を給与所得などと損益通算する場合、売却した年度内に、代金の決済、書類等の引渡し、名義変更、年会費の精算などを行い、実際に譲渡した証跡を残すことが望まれます。
なお、ゴルフ会員権の譲渡損失の損益通算は、将来的に廃止される可能性もあることに留意すべきです。
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