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証券新聞4/6号

2017-04-07 (Fri) 09:50
「被合併法人の株主の課税関係について」
Q.私が株主となっている会社が合併により消滅することになり、私を含め株主には新たに合併法人の株式が交付されるようです。この合併における私(被合併法人の株主)の課税関係ついて教えて下さい。

20170406
 
A.
合併とは、会社法の規定に従い複数の会社が合体して一つの会社になる行為です。
合併により被合併法人(合併により消滅する会社)の株主には、保有する被合併法人の株式と引き換えに新たに合併法人の株式等の資産が交付されます。
これは交付された資産を対価として被合併法人の株式を譲渡したことと同様の経済的効果を有すると考えられることから、被合併法人の株主には「みなし配当」や「株の譲渡損益」といった課税関係が生じることがあります。
合併による被合併法人の株主の課税関係はその合併が法人税法上の適格要件(※)を満たすか否か、また、対価として交付される資産の種類により変わりますので、以下で解説いたします。
(※)法人税法上の合併の適格要件は、被合併法人の株主等に合併法人の株式又は合併親法人株式のいずれか一方の株式以外の資産が交付されないもので、(1)完全支配関係がある企業グループの合併、(2)支配関係がある企業グループ内の合併、(3)共同事業を営むための合併、に分けられますが(法法2十二の八)、それぞれの詳細な要件については割愛させて頂きます。

(1)適格合併の場合
適格合併では、被合併法人の株主等に合併法人の株式又は合併親法人株式のいずれか一方の株式が交付されることになりますが、この場合は譲渡損益の発生はないものとされ、みなし配当も生じません。(法法24条1項1号、措法37条の10第3項)
ただし、三角合併により国内に恒久的施設を有していない非居住者又は外国法人である株主が、合併の対価として合併法人の外国親法人の株式の交付を受けた場合には、株式が交付された時点で譲渡損益を認識しますので、注意が必要です。(法令184条1項20号、措法37条の14の3)

(2)非適格合併の場合
非適格合併が行われた場合は、被合併法人の株主が交付を受けた資産の価額(時価)のうち、被合併法人の資本金等の額に対応する金額を超える部分は配当とみなされます。(法法24条1項1号、所法25条1項1号)
また、被合併法人の株主等に合併法人の株式又は合併親法人株式のいずれか一方の株式以外の資産が交付される場合には、譲渡損益が発生します。この譲渡損益の計算の基礎となる譲渡対価の額は、交付を受けた資産の価額(時価)からみなし配当を差し引いた金額となります。(法法61条の2第1項2項、措法37条の10第3項)
計算例を示すと以下のようになります。
(イ)前提数値
・合併交付資産の時価:1000(合併法人株式800+金銭200)
・被合併法人株式の取得価額:500
・資本金等の額に対応する金額: 700
(ロ)みなし配当: 300(=交付資産の時価1000-資本金等の額700)
(ハ)被合併法人株式の譲渡損益:200
(=交付資産の時価1000-みなし配当300-取得価額500)
なお、みなし配当や譲渡損益の計算の基礎となる譲渡対価の額等については合併法人から各株主へ交付される支払通知書により確認することができます。合併法人はこの支払通知書と同様の書類(支払調書)を税務署へ提出する義務があります。

(3)まとめ
以上の課税関係をまとめると以下のようになります。
適格要件 交付される資産 みなし配当 株の譲渡損益
満たす
(適格合併)
合併法人または合併親法人のいずれか一方の株式のみ 生じない 生じない
満たさない
(非適格合併)
合併法人または合併親法人のいずれか一方の株式のみ 生じる 生じない
対価に金銭等が含まれる
 
生じる 生じる