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証券新聞3/16号「特定公社債の価値が失われた場合の取扱い」

2017-03-16 (Thu) 10:57
Q.平成25年税制改正による金融所得課税の一体化により、平成28年以降は特定公社債を特定口座(源泉徴収あり)に受入れ運用していました。
この度、社債を発行している会社が会社更生法の手続きを申請し、社債の一部もしくは全部が回収できなくなる可能性が出てきました。
保有している特定公社債が回収できなくなった場合の税務上の取扱いについて教えてください。

20170316
 
A.
1.特定公社債を全く回収できなかった場合
平成27年までの取扱いでは、特定口座内に保管されていた国内企業が発行する上場株式が、発行会社の破産等により価値がなくなった場合にはその株式の譲渡があったものとして、その株式の取得価額を譲渡損失の金額とみなす特例がありました。
平成28年以降は、金融所得課税の一体化により特定公社債が上場株式等に含まれることとなりました。その結果、特定公社債についても本特例の適用対象に追加されています。
特定口座内で保管している特定公社債については、下記いずれかの一定の事実に該当した場合には、その特定公社債の取得価額を譲渡により発生した損失とみなして、他の上場株式等から生じた配当や譲渡益と損益通算をすることが可能となりました。

一定の事実
・発行会社が解散(合併による解散を除く)をし、その清算が結了したこと
・会社更生計画認可の決定を受け、同一銘柄の社債を無償で消滅させたこと
・会社再生計画認可の決定を受け、同一銘柄の社債を無償で消滅させたこと
・発行会社の破産手続廃止の決定又は破産手続終結の決定を受けたことにより、同一銘柄の社債に係る債権の全部について弁済を受けることができないことが確定したこと

なお、平成27年までの上場株式の価値が失われたことによる特例の取り扱いでは、破産等により譲渡損失とみなされた金額はその年の他の株式等の譲渡益から控除することはできましたが、控除しきれなかったとしてもその金額を翌年以降に繰り越すことはできませんでした。
平成28年以降においては、上場株式・特定公社債の価値が破産等により失われ、譲渡損失とみなされた金額がその年の他の株式等の譲渡益から控除しきれなかった場合には、3年間繰越すことが可能となりました。また、上場株式等から生じた配当等との損益通算も可能となっています。

2.特定公社債を一部回収できた場合
会社が破産等をした場合であっても、一部弁済を受けることができる場合があります。
特定公社債を一部回収できた場合には、その回収額は特定公社債の譲渡損益計算上の収入金額とみなされます。
したがって、特定公社債の一部を回収できた場合には上記特例によらず、税務上特定公社債の譲渡損失(償還差損)として取り扱うこととなります。

3.特定公社債が回収できなかった場合の譲渡損失の手続きについて
特定公社債が全く回収できなかった場合に譲渡損失として計上できるのは特定口座内で保管されていたものに限られています。
特定口座内で保管されていた特定公社債の上場廃止後、特定口座から引き続き同じ証券会社等の特定管理口座に保管されている必要があります。特定管理口座に移された後、上記の一定の事実が発生したことをもって、譲渡損失とみなされることになります。
破産等により価値が失われたことにより譲渡損失としてみなされた金額は、特定口座内の譲渡損失には計上されませんので、証券会社から交付される「価値喪失株式等に係る証明書」を添付の上、確定申告を行う必要があります。
一方、特定公社債が一般口座内で保管されていた場合には、特定公社債が全く回収できなかったことにより損失が発生したものとして申告をすることはできません。
なお、2.特定公社債が一部回収できた場合にはその特定公社債は特定口座内で保管されている必要はなく、一般口座内で保管されていたものであっても譲渡損失として申告することが可能です。