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証券新聞2/2号「税制改正 法人税(スピンオフ)」

2017-02-02 (Thu) 10:01
平成28年12月22日に平成29年度税制改正の大綱が閣議決定されました。
法人税においては、組織再編税制の見直しが注目されますが、今回は、このうち、所謂“スピンオフ(税制)”について解説いたします。

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1.スピンオフの意義 
スピンオフとは、複数の異なる事業を営む企業が特定の事業を切り離して独立会社とする組織再編成の一形態です。今回のスピンオフ税制は、元の法人(分割法人)に係る株主の持株割合に比例して、切り離した独立会社(分割承継法人)の株式のみを交付するものを対象としています。

2.スピンオフにより期待される効果
次の3つの効果により、企業価値の向上が期待されます。

(1)経営の独立による効果
元の会社の経営者は中核事業に専念することができます。
スピンオフされた会社は迅速、柔軟な意思決定が可能となり、モチベーションも向上します。

(2)資本の独立による効果
スピンオフされた会社の独自の資金調達により、従来は埋没していた必要な投資が可能となります。
スピンオフされた会社と、元の会社の競合相手との取引が可能となります。独禁法の制約を受けにくくなります。

(3)上場の独立による効果
各事業のみに関心のある投資家をひきつけることが可能となります。
コングロマリット・ディスカウント(注)の克服に繋がります。
(注)複数の事業を営んでいる場合に、それらを個別に営む場合よりも、事業価値の総和が
市場で低く評価されること。

3.スピンオフの類型
20170202図



















4.税制改正の内容
現行の組織再編税制においても、企業グループ内または共同事業を営む場合の分割型分割や完全支配関係のある法人間で行う現物分割については、一定要件の下、適格分割・適格現物分配として、分割会社での資産譲渡損益や分割会社株主におけるみなし配当及び株式譲渡損益について、その計上を繰り延べることができました。
しかしながら、3.(1)(2)のように、多数の一般株主が存在する法人の分割型分割や現物分配は非適格分割・非適格現物分配となってしまい、日本では実例がほとんどありませんでした。
今回の改正は、3.(1)(2)の類型について、「対価要件」「従業者引継要件」「事業継続要件」「役員等継続要件」等、現行の他の適格類型の同等の適格要件を措置することとし、スピンオフを行う際の譲渡損益やみなし配当についても課税を繰り延べることとしたものです。
なお、本改正は、平成29年4月1日以後に行われる組織再編成より適用されます。

【参考資料】経済産業省 平成29年度 経済産業関係 税制改正について

(注)この内容につきましては、平成29年度税制改正大綱に基づきまとめたものですが、今後の法令通達により変わる可能性がありますので、ご留意くださいますようお願い致します。