What's New 更新情報

証券新聞9/8号「LLPに関する税務の取扱い」

2016-09-08 (Thu) 18:04
Q.私は、有限責任事業組合(以下、LLPといいます。)に組合員(LP)として投資していますが、組合損益について、税務上の取扱いが分からないので教えてください。

20160908
 
A.ご質問のLLP(Limited Liability Partnership)は平成17年8月1日に施行された「有限責任事業組合契約に関する法律」により組成される事業体です。LLPの特徴として、民法の任意組合の特例であること、構成員全員が有限責任(有限責任制)であること、損益や権限の分配を自由に決めることができること、構成員課税(パス・スルー課税)を適用することが挙げられます。
以下では、LLPの特徴のひとつでもある、税務上の取扱いについて記載します。

(1)構成員課税
LLPで生じた所得及び損失はLLPには課税されず、損益分配割合による持分に応じてその所得が各組合員に帰属し、各組合員の段階で課税されます。

(2)所得の計上時期
個人組合員のLLP事業に係る損益は、LLPの計算期間の末日の属する年分の個人の所得税の計算上、所得の種類ごとに総収入金額または必要経費に算入されます。

(3)所得の計上方法
LLPの損益の計上方法には次の3つの方法があります。
(1)貸借対照表・損益計算書とも各項目の持分相当額を計上する方法(総額法)
(2)貸借対照表は純額で計上し損益計算書は損益項目の持分相当額を計上する方法(中間法)
(3)貸借対照表・損益計算書とも持分相当額を純額で計上する方法(純額法)
なお、原則法は(1)ですが、(1)の方法により計算することが困難と認められる場合で、かつ、継続適用を条件に(2)又は(3)の方法を選択することが可能です。

(4)所得の区分
上記(1)及び(2)については、組合が行った個々の取引に応じて、10個の所得区分に振り分け、上記(3)については、組合事業の主たる事業の内容に従い、不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得のいずれか一の所得に係る収入金額又は必要経費とします。

(5)LLP事業損失と損金算入限度
LLPの組合員である個人が、LLP事業から生ずる不動産所得、事業所得または山林所得を有する場合に、LLP事業によるこれらの所得の損失の金額のうち当該組合員の出資の価額を基礎として計算される調整出資金額(※)を超える場合は、その年分の不動産所得、事業所得または山林所得の金額の計算上、その超える部分の金額は必要経費に算入されません。また、複数のLLPに投資している場合には各LLPごとに所得の計算をし、プラスの所得が生じたLLPとマイナスの所得が生じたLLPを損益通算することはできません。
必要経費不算入額は次の方式により計算します。
必要経費不算入額=LLP事業の所得の損失額-調整出資金額(※)
(※)調整出資金額=出資額+前年以前の所得合計-分配額 

(6)確定申告時の留意点
LLPの個人組合員は、所得の区分に応じて、青色申告決算書または収支内訳書を作成し、確定申告書に「LLPの組合事業に係る所得に関する計算書」及び「組合事業に係る事業所得等の必要経費不算入損失額の計算書」(必要経費不算入額がある場合)を添付する必要があります。