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証券新聞8/4号「ストック・オプション課税」

2016-08-04 (Thu) 14:33
Q.ストック・オプションの発行形態は複数あり、発行した会社と付与を受けた役員・従業員双方でその発行形態により課税の取り扱いが異なると聞きました。発行形態によりそれぞれどのように課税されるのか教えて下さい。

20160805

 
A.
(1)役員・従業員の課税関係
a.税制非適格ストック・オプションの場合
役務提供の対価として新株予約権を発行した場合、所得税法では、原則として新株予約権取得時には課税されず、権利行使時に給与所得※1として課税することとしています。

b.税制適格ストック・オプションの場合
これに対して、税制適格ストック・オプションに該当する場合※2には、権利行使時には課税せずに、権利行使で取得した株式の売却時点で初めて、株式の譲渡所得として課税することとしています。(表(1)参照)
表(1)
区 分 税制適格 税制非適格
権利行使時 課税区分 給与所得※1
所得金額 権利行使時の時価-権利行使価額
株式売却時 課税区分 譲渡所得 譲渡所得
所得金額 売却価額-払込価額 売却価額-権利行使時の時価
(※1)発行法人と権利を付与される者との関係により、所得区分が異なることがあります。
(※2)税制適格の主な要件として以下を満たす必要があります。
・権利付与対象者が次のいずれかに該当する者(一定の大口株主及びその特別関係者を除く)
 ⇒自社の取締役、執行役又は使用人(およびその相続人)
 ⇒発行株式総数の50%超を直接又は間接に保有する法人の取締役、執行役又は使用人(およびその相続人)・
  付与決議の日後2年を経過した日からその付与決議の日後10年を経過するまでの間に権利行使を行わなけれ
  ばならない
・権利行使価額の年間の合計額は1,200万円を超えない
・無償発行であり、譲渡が禁止されていること
・1株当たりの権利行使価額が、その付与契約締結時におけるその株式の1株当たりの価額相当額以上であること
・取得した株式は証券業者等に保管委託又は管理信託がされていること

(2)会社の課税
a.税制非適格ストック・オプションの場合
会社が役員や従業員から役務の提供を受ける役務提供の対価として新株予約権を発行したときは、その個人においてその役務の提供につき所得税法等の規定により給与所得等として認識されるべき事由(給与等課税事由)が生じた日においてその役務提供を受けたものとして、新株予約権が行使された日の属する事業年度に損金として認識することとなります。
(例)
新株予約権時価70
行使価額 400
権利行使時時価 500
(表(2)参照)
表(2) 経理処理 税務上の調整
役務提供時 株式報酬費用70  新株予約権  70 株式報酬費用否認70 (加算・留保)
権利行使時
※3
現金預金   400  資本金等   470
新株予約権  70
株式報酬費用認容70 (減算・留保)z
(※3)個人の所得100(=権利行使時時価500-行使価額400)

b.税制適格ストック・オプションの場合
個人において給与等課税事由が生じないときには、新株予約権の発行法人の役務提供に係る費用の額は、各事業年度の所得の計算上、損金の額に算入しないこととされ、発行会社では永久に損金算入が認められないこととなります。
(例)
新株予約権時価70
行使価額 400
権利行使時時価 500
(表(3)参照)
表(3) 経理処理 税務上の調整
役務提供時 株式報酬費用  70新株予約権   70 株式報酬費用否認70  (加算・留保)
権利行使時
※4
現金預金    400資本金等    470
新株予約権   70
株式報酬費用認容70  (減算・留保)
株式報酬費用否認70(加算・社外流出)
(※4)個人では課税されません。(株式の売却時点で課税)