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証券新聞7/7号

2016-07-07 (Thu) 11:29
「非上場株式の株主に投資育成会社がある場合」
Q.先日、私は父の相続が発生したため、非上場会社A社の株式を取得することになりました。その非上場会社A社の株主に中小企業投資育成株式会社があるのですが、非上場株式の評価額の計算に何か影響があるのでしょうか。
 
【非上場会社A社の株主構成及び議決権】
株主名 持株比率 議決権
中小企業投資育成株式会社 40% 40個
A社の代表者 甲氏 28% 28個
父→私 15% 15個
その他少数株主数名 17% 17個
合 計 100% 100個

20160707

 
A.
1.中小企業投資育成株式会社とは
 中小企業投資育成株式会社とは、「中小企業投資育成株式会社法」に基づき1963年に設立された公的な投資育成機関です。中小企業の自己資本の充実を促進し、企業の健全な成長発展を支援することを目的とし、原則として資本金が3億円以下の企業の株式や新株予約権付社債等の引受けを行っています。
 
2.評価上の注意点
非上場会社の株主のうちに中小企業投資育成株式会社がある場合において、原則的評価、特例的評価の区分をするときは、財産評価基本通達188-6に次のような取扱いがあります。
 
(1)投資育成会社が同族株主に該当し、かつ、その投資育成会社以外に同族株主に該当する株主がいない場合には、その投資育成会社は同族株主に該当しないものとして適用する。
 
(2)投資育成会社が、中心的な同族株主又は中心的な株主に該当し、かつ、その投資育成会社以外に中心的な同族株主又は中心的な株主に該当する株主がいない場合には、その投資育成会社は中心的な同族株主又は中心的な株主に該当しないものとして適用する。
 
(3)上記(1)及び(2)において、評価会社の議決権総数からその投資育成会社の有する評価会社の議決権の数を控除した数をその評価会社の議決権総数とした場合に同族株主に該当することとなる者があるときは、その同族株主に該当することとなる者以外の株主が取得した株式については、上記(1)及び(2)にかかわらず、財産評価基本通達の188の「同族株主以外の株主等が取得した株式」に該当するものとする。
 
3.ご質問のケース
 (1)投資育成会社だけが議決権総数の30%以上を保有し、他に30%以上の株式を保有する者がいないため、(1)により投資育成会社は同族株主に該当しないものとされ、評価会社は同族株主がいない会社として原則的評価又は特例的評価の株主区分を判定します。
この場合、原則として議決権総数の15%を保有する株主は原則的評価が適用されます。
 
 (2)ただし(3)では、評価会社の議決権総数から、投資育成会社の議決権数を除いた数を評価会社の議決権総数として各株主の議決権割合を計算し、その結果、同族株主に該当する株主がいる場合には、その同族株主に該当することとなる者以外の株主が取得した株式については特例的評価が適用されます。
具体的に計算をしますと次のようになります。

評価会社の議決権総数100個-投資育成会社の議決権数40個=60個
甲氏  28個/60個=46%・・・同族株主に該当するため原則的評価が適用される。
あなた 15個/60個=25%・・・同族株主のいる会社における同族株主以外の株主には特例的評価が適用される。
以上より、あなたが取得をした株式は、特例的評価が適用されることになります。
 
参考 同族株主のいない非上場会社の株主に適用される評価方式
株主の態様 評価方式
保有議決権割合の合計が
15%以上の株主グループに
属する株主
保有議決権割合5%以上の株主 原則的評価方式
保有議決権割合が5%未満の株主 中心的な株主がいない場合
中心的な株主がいる場合 役員である株主又は役員となる株主
その他の株主 特例的評価方式
保有議決権割合の合計が15%未満の株主グループに属する株主