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証券新聞6/2号

2016-06-02 (Thu) 14:29
「破産等により株式の価値が失われたときの特例」
Q1.友人に勧められて上場株式を購入し、特定口座で管理していました。海外出張の帰りの飛行機内で新聞を読んでいたところ、当該株式の発行会社が倒産により上場廃止となり、破産手続開始の決定を受けていることを知りました。保有していた上場株式の発行会社が清算・破産等した場合、所得税法上はどのような取扱いになるのでしょうか。
20160602
 
A1.
原則的取扱い
株式の発行会社の破産等により個人が所有する株式の価値が失われたとしても、それによる損失は原則として他の株式等の譲渡益や給与所得など他の所得の金額から控除することはできません。かかる理由は、「売却」や「譲渡」により消滅したわけではなく、個人の株主にとっては、「株式が自然消滅した」という解釈になります。したがって、税務上は「家事上の損失」と同じ扱いになります。

特例措置
特定口座に保管されていた内国法人の上場株式が、上場廃止となった日以後、特定管理株式(※1)又は特定保有株式(※2)に該当していた場合で、その株式を発行した株式会社に清算結了等の一定の事実が生じた時は、その株式の譲渡があったものとして、その株式の取得価額を譲渡損失の金額とみなす特例があります。この特例によって、譲渡損失とみなされた金額は、他の株式等の譲渡益から控除することができます。

※1特定管理株式
上場廃止となった日以後、特定管理口座(※3)に引き続き振替口座簿に記載若しくは記録がされ、又は保管の委託がされている内国法人の株式。

※2特定保有株式
平成21年1月4日において特定管理株式であった株式で、同月5日に特定管理口座から払い出されたもののうち、同日以後、発行会社の清算結了等の一定の事実が発生した日まで、その株式と同一銘柄の株式の取得及び譲渡をしていないものであることにつき一定の証明がされた株式。

※3特定管理口座
特定管理口座とは、特定口座に保管している内国法人の株式が上場株式等に該当しないこととなったときに、その株式をその特定口座からの移管により保管の委託がされることなど一定の要件を満たす口座。なお、特定管理口座を開設するには、特定口座を開設している金融商品取引業者等に対して、特定管理口座に上場株式等に該当しなくなった株式を受け入れる時までに、「特定管理口座開設届出書」を提出する必要があります。

●適用手続き
上記、特例の適用を受けるためには、清算・破産等の一定の事実が生じた年分の確定申告書に、この特例の適用を受ける旨を記載するとともに、下記書類を添付する必要があります。
(1)特例の対象となる株式について、特定管理口座を開設し又は開設していた金融商品取引業者等から交付を受けた一定の事実等を確認した旨を証する書類
(2)特例の対象となる価値を喪失した株式とそれ以外の株式等とを区分して記載された株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
Q2.金融所得課税の一体化(平成25年度税制改正)により、平成28年(2016年)以降の金融商品課税が大幅に変わると聞きましたが、上記特例についても変更点はあったのでしょうか。
A2.平成27年12月31日以前に生じた、その譲渡損失とみなされた金額は他の株式等の譲渡益から控除しきれなかったとしても、その金額を翌年以後に繰り越すことはできませんでした。つまり、平成27年12月31日以前の特定管理株式等の価値喪失の場合の特例制度では、非上場株式等の扱いとされていました。
平成25年度税制改正により、平成28年分から、この特例の適用対象に、特定口座で管理されている内国法人が発行した公社債が追加されるとともに、この特例により譲渡損失とみなされた金額を上場株式等に係る譲渡損失の金額として損益通算及び繰越控除の対象とすることができるように変更されました(租税特別措置法 第37条の11の2)。