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証券新聞4/7号「特定公社債の経過利子の取り扱い」

2016-04-07 (Thu) 14:57
Q1. 私は今年に入ってから一般口座を開設している証券会社を通じて、既発行の国内利付債(税務上、特定公社債に該当)を購入しました。その際、支払額の中に経過利子というものが含まれていましたが、経過利子とは何でしょうか。
その後、利払い日が到来し、私が利子を全額受け取りましたが、この場合私が受け取った利子は税務上どのような取り扱いになるでしょうか。経過利子に係る税務上の取り扱いと合わせて教えてください。

20160407

 
A1.
1.経過利子とは
既発行の利付債を利払い日前に売買した場合、利子は全額利払い日時点の保有者、つまりあなたが受け取ることになります。
一方、あなたはその利子に係る計算期間を通じて保有していたわけではありませんので、売り手が保有していた期間(利子の計算開始日から取引日まで)に応じて利子を支払う必要があります。売り手と買い手が本来受け取るべき利子を調整するため、取引の際に売り手の保有期間に応じて支払われるものが経過利子となります。

2.購入した際の経過利子の税務上の取り扱い
経過利子は税務上、利付債を購入した時の対価となりますので、利付債の取得価額に含めることになります。
また、平成27年12月31日以前は、源泉税相当額20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%、住民税5%)を差し引いた金額を経過利子として売り手に支払っていました。これは、買い手が利払い日に受け取る利子は、売り手が保有していた期間を含めて20.315%の源泉所得税等が徴収されるので、売り手・買い手間の税負担を調整するためです。一方、平成28年1月1日以後に利払い日を迎える国内債券の経過利子を支払った際は源泉税相当額の控除は廃止となりました。
一見しますと、経過利子から源泉税相当額が控除されなくなると、経過利子を満額受け取れる分売り手が有利になるように思われますが、税制改正により平成28年1月1日以後は債券の利子及び売却益が分離課税の対象となり、譲渡損失が発生した場合には利子との損益通算が可能となったことから、売り手・買い手間で利子に係る税負担の調整が不要となったためと考えられます。

3.利払い日に受け取った利子の税務上の取り扱い
なお、利払い日に受け取った利子は源泉所得税等(20.315%)が差し引かれていますので原則申告は不要ですが、上場株式等の譲渡損失がある場合には確定申告をすることにより損益通算をすることができます。
 
Q2.先ほどの続きですが、利付債を満期まで保有せずに、途中で売却することも考えています。
売却した際には、売却価格には経過利子が含まれることになると思いますが、平成28年1月1日以後は、経過利子からは源泉税相当額(20.315% )が差し引かれていないので、利子所得として別途確定申告が必要でしょうか。売却した場合と、満期償還した場合の税務上の取り扱いも合わせて教えてください。
 
A2.
1.売却した際の経過利子の税務上の取り扱い
まず、売却の際に受け取る経過利子は、直前の利払い日から取引日までの経過日数に応じた利子に相当するものですが、所得税法上の利子所得ではなく譲渡所得に該当します。そのため、利子所得としての確定申告は不要です。
源泉税相当額が差し引かれていない経過利子は、譲渡収入に含めることとなります。

2.売却又は償還した場合の税金
利付債の売却損益は、譲渡収入から取得価額を差し引くことによって計算します。取得価額には購入時に支払った経過利子を含めます。
前述の通り、平成28年1月1日以後は特定公社債の売却益は税務上分離課税となりますので、売却益が発生した場合にはその20.315%が所得税等として課税されます。償還益が発生した場合にも同様の取り扱いとなります。
経過利子からは源泉税相当額が差し引かれなくなりましたが、譲渡益に含まれることにより分離課税として20.315%が課税されることとなります。
なお、売却又は償還が損失となった場合には、確定申告をすることにより、特定公社債の利子や、上場株式等の譲渡益及び配当と損益通算をすることができます。