What's New 更新情報

証券新聞2/4号「税制改正大綱 国外転出時課税」

2016-02-04 (Thu) 10:57
Q.平成27年から施行されている国外転出時課税制度に関して、平成28年度税制改正大綱において制度の一部見直しや整備がなされるそうですが、どのように改正されるのでしょうか。
20160204
 
A.
1.国外転出時課税制度の概要
平成27年度税制改正において、国外転出時課税制度が創設され、平成27年7月1日から施行されています。この国外転出時課税制度は、国外転出をする時点で1億円以上の有価証券や未決済の信用取引などの対象資産を所有している一定の居住者に対して、国外転出の時に、国外転出の時の価額で対象資産の譲渡等があったものとみなして、その対象資産の含み益に対して所得税が課税される制度です。対象者は、国外転出の時に所有等している対象資産の価額の合計額が1億円以上である方で、かつ、国外転出の日前10年以内において、国内在住期間が5年を超えている方です。
この国外転出時課税制度について、平成28年度税制改正大綱において次の制度の一部見直しや整備がなされる予定です。

2.改正の内容
(1) 新株予約権等(ストックオプション等)を国外転出時課税の対象有価証券から除外に
国外転出時課税の対象資産の有価証券等の範囲から、新株予約権その他これに類する権利で行使による所得の全部又は一部が国内源泉所得となるものを除外されることとなります。

(2) 国外転出時課税で上場株式等の譲渡損失が生じた場合の損益通算等の適用対象の拡大
国外転出時課税により上場株式等の譲渡損失が生じた場合についても、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算や繰越控除の適用対象に追加されることとなります。

(3) 納税猶予の期限の満了に伴う納期限の見直し
国外転出の時までに納税管理人の届出をするなどの一定の手続を行った場合には、国外転出時課税の適用により納付することとなった所得税について、現行では国外転出の日から5年(または10年)を経過する日まで納税を猶予することができます。この納税猶予に係る期限の満了に伴う納期限が、国外転出等の日から5年4月(または10年4月)を経過する日となり、4ヶ月延長されることとなります。

(4) 国外転出の後に同一銘柄の有価証券等を取得、譲渡した場合の取扱いの明確化
国外転出時課税の納税猶予の適用を受けている者が、国外転出後に同銘柄有価証券等を取得、譲渡した場合の取扱いが明確化されます。具体的には、「納税猶予の適用を受けている有価証券等」と「納税猶予の適用を受けていない有価証券等」に区分し、「納税猶予の適用を受けていない有価証券等」から先に譲渡したものとされることとなります。また「納税猶予の適用を受けている有価証券等」を譲渡したものとされる場合には、先に取得したものから先に譲渡したものとされます。

(5) 国外転出時課税制度の適用を受けていない場合の取得価額の洗替えの適用が除外に
現行制度においては、確定申告の有無を問わず国外転出の日の属する年分の所得税について取得価額をその国外転出時の価額をもって取得したものとみなす措置がありましたが、国外転出時課税制度の適用を受けていない場合には、これが適用されないこととなりました。