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証券新聞1/7号「税制改正大綱 法人税編」

2016-01-07 (Thu) 10:10
平成27年12月24日に平成28年度税制改正の大綱が閣議決定されました。
このうち、法人税の主要な項目をご紹介いたします。

20160107


1.法人税改正の概要
平成28年度税制改正では、「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」との考えの下、経済の好循環を確実なものとする観点から成長志向の法人税改革等を更に大胆に推進すると掲げています。
成長志向の法人税改革の主なものとしては、(1)法人税率の引下げ、(2)外形標準課税の拡大、(3)欠損金繰越控除の段階的縮小、(4)減価償却制度の見直し、(5)役員給与等に係る税制の整備が挙げられます。
 
2.改正の内容
(1)法人税率の引下げ
平成28年4月1日以後に開始する事業年度から、法人税の税率が段階的に引き下げられま
す。これにより法人実効税率は、現在の32.11%から28年度に29.97%、30年度に29.74%と目標の20%台となります。
参考までに、主要国の法人実効税率は、ドイツがほぼ同じの29.66%、中国25.00%、
イギリス20.00%、シンガポール17.00%、米国40.75%です。(財務省HP参照)
  現行 改正
法人税率 23.90% 平成28年4月1日以後事業年度 平成30年4月1日以後事業年度
23.40% 23.20%
 
(2)外形標準課税の拡大
資本金1億円超の法人事業税の外形標準(付加価値割・資本割)が、平成28年4月1日以後に開始する事業年度から拡大されます。結果として、外形標準課税の対象法人における法人事業税全体に占める外形標準の割合は8分の5となります。
 

 
現行 改正
平成27年4月1日~平成28年3月31日開示事業年度 平成28年4月1日~平成30年3月31日開始事業年度
平成30年4月1日~開始事業年度
外形標準課税法人 32.11%          29.97%      29.74%

上記以外の
所得課税法人 
年800万円以下 23.20% 23.20% 27.57%
年800万円超 34.33% 33.80% 33.59%

 
(3)欠損金繰越控除の段階的縮小  欠損金繰越控除制度は、平成27年度税制改正で既に見直しが行われましたが、法人税率引き下げに伴う財源確保と企業経営への影響を平準化する観点から、更に見直しが行われました。
 
事業開始年度 平成27年4月1日~
平成28年3月31日               
平成28年4月1日~平成29年3月31日 平成29年4月1日~平成30年3月31日 平成30年4月1日~
繰越控除限度額 中小法人等 所得金額
大法人 所得金額×65% 所得金額×65%
⇒所得金額
×60%
所得金額×50%⇒所得金額×55% 所得金額×50%
繰越期間 9年 10年⇒9年 10年

(4)減価償却制度の見直し
建物と一体的に整備される建物附属設備や建物と同様に長期安定的に使用される構築物について、定率法が廃止され、償却方法が定額法に一本化されます。定率法から定額法に変更した場合、初期の償却費が少なくなることで、初期の税負担が増加することが想定されます。

(5)役員給与等に係る税制の整備
法人の支給する役員給与について、より柔軟に支給できるようになります。具体的には、利益連動給与の算定指標の範囲にROE(自己資本利益率)その他の利益に関連する一定の指標が含まれることになります。また、将来の役務提供の対価として一定の譲渡制限付株式を交付する場合には、事前確定の届出が不要となり、原則として譲渡制限が解除された日の属する事業年度において損金算入されます。
 
※この内容につきましては、平成28年度税制改正大綱に基づきまとめたものですが、今後の法令通達により変わる可能性がありますので、ご留意くださいますようお願い致します。