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証券新聞10/22号

2015-10-22 (Thu) 10:22
「特定公社債の税制改正と確定申告の要否について」
Q.私は源泉徴収ありの特定口座内で上場株式の投資をしています。また、上場公社債にも投資をしています。これまで給与以外には、特定口座内の上場株式の配当及び売却益と上場公社債の利子しか収入がなかったので、確定申告はしていませんでした。
以前、金融所得課税が大幅に改正され平成28年1月1日から施行されると聞きましたが、私にはどのような影響があるでしょうか。今後の確定申告の要否と合わせて教えてください。

20151023
 
A.
1.改正の内容とその影響
金融所得課税の改正により、金融商品を課税方法に応じて上場株式等と一般株式等の2つに分類することとなりました。上場株式等と一般株式等の区分は以下のようになります。 
区分 分類
上場株式等 上場株式、公募株式投信、特定公社債、公募公社債投信 等
一般株式等 非上場株式、出資、一般公社債、公社債投信 等
さらに、これまで公社債とされていたものが、特定公社債と一般公社債に区分されます。
特定公社債と一般公社債の区分は以下のようになります。
区分 分類
特定公社債 国債、地方債、外国国債、公募公社債、上場公社債などの一定の公社債
一般公社債 特定公社債以外の公社債
現行では、公社債の利子は税率20.315%の源泉分離課税、譲渡益については非課税、償還差益については雑所得として総合課税の対象とされています。
平成28年1月1日以降は、特定公社債の利子については税率20.315%の申告分離課税(申告不要を選択可)、譲渡益・償還差益については譲渡所得として税率20.315%の申告分離課税となります。
 
公社債と株式の課税の取り扱いが上場株式等と一般株式等のそれぞれの区分内で一本化されたことにより、上場株式等の間で利子・配当・譲渡損益及び償還差損益の損益通算ができるようになります。
                 
したがって、平成28年1月1日以降は、上場公社債の利子・譲渡損益及び償還差損益と上場株式の配当・譲渡損益を損益通算することができるようになります。
さらに、控除しきれなかった損失は翌年以降3年間繰越が可能となります。
 
例えば、現在保有されている上場公社債に含み益がある場合、平成27年12月31日までに売却することにより、非課税で売却することができます。
一方、含み損がある場合には、平成28年1月1日以降に売却することにより、上場公社債の利子・譲渡損益と上場株式の配当・譲渡損益を損益通算することができ、控除しきれない損失がある場合には翌年以降3年間繰り越すことができます。
 
2.今後の確定申告の要否
税制改正に伴い、平成28年1月1日以降に特定口座を通じて取得した特定公社債等については、特定口座に受け入れることができるようになりました。
また、既に保有している特定公社債等であっても、一定の期間に手続きをすることで、特定口座へ受け入れることができる経過措置が設けられています。詳しくは金融機関へご確認下さい。
現在保有されている上場公社債を既存の源泉徴収ありの特定口座に受け入れた場合には、上場株式の配当・譲渡損益と、上場公社債の利子・譲渡損益及び償還差損益は特定口座内で損益通算及び源泉徴収を行いますので、これまで通り確定申告は不要となります。
ただし、上場株式と上場公社債を同一の金融機関の特定口座に受け入れた場合であっても、損益通算後控除しきれなかった損失を翌年以降に繰り越すには、確定申告が必要となります。
また、現在特定口座を開設している金融機関とは別の金融機関に特定口座を開設し、上場公社債を受け入れた場合は、特定口座間の損益通算をするためには、確定申告が必要となります。