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証券新聞8/6号「REITの税務上の取扱い」

2015-08-06 (Thu) 14:31
Q1.円安に伴う海外からの資金流入と、東京五輪を控えた需要増で、国内不動産が活況であると聞きました。不動産に投資する場合、実際に投資家が物件を購入する現物不動産投資と、REITという金融商品に投資する場合があると思います。まず、そもそもREITという金融商品がどういうものなのか教えてください。

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A1.REITとは、Real Estate Investment Trust(不動産投資信託)の略称で、投資家から集めた資金などで不動産を保有し、そこから生まれる賃料や売却益を投資者に分配する金融商品です。日本では、2000年11月「投資信託及び投資法人に関する法律」の改正によって、2001年9月に市場が創設されました。
REITには多くのメリットがあると言われます。現物の不動産を購入しようと思えば、多額の資金を用意する必要がありますが、REITは投資法人が持っている不動産を「投資証券」として小口化して売買する仕組みなので、一口数万円程度の少額から不動産投資をすることができます。さらに、市場があるため、換金がすぐにでき流動性が高いことや、多くの投資家から資金を集め、運用しているREITにおいては複数の不動産に投資しているため、リスク分散効果が働くといえます。
また、REITの投資法人において、配当可能所得の90%超を分配すれば、法人税が事実上免除されるため、投資家はその利益のほとんどを分配金として期待できる点も魅力といえます。
一方、REITは上場されており、取引価格が変動することから、元本や分配金が保証された商品ではない点に注意が必要です。
 
Q2.個人でREITに投資した際、そして、現物不動産に投資した際には、それぞれどのような税金がかかるか教えてください。
 
A2.REITの分配金、譲渡に対する税金は上場株式等に準じた課税方法が適用されます。
分配金に関しては、20.315%(所得税15.315%(復興特別所得税含む)、住民税5%)の源泉徴収が行われます。源泉徴収の後、分配金について確定申告をする場合には、総合課税(超過累進税率)または申告分離課税20.315%(所得税15.315%(復興特別所得税含む)、住民税5%)のいずれか一方を選択します。ただし、REITの分配金について、総合課税を選択した場合には、配当控除の適用はありません。
譲渡に関しては、一律20.315%(所得税15.315%(復興特別所得税含む)、住民税5%)の申告分離課税です。
そして、REITについても、上場株式等と同じように「特定口座」を利用して、かつ、「源泉徴収あり」の口座を選択すれば、確定申告を不要とでき、金融機関が税金の計算から徴収までを行ってくれるため手間がかかりません。確定申告を不要とした場合には、譲渡所得等が多額に発生しても配偶者控除等の適用関係に影響が及びません。
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一方、現物不動産投資における所得には、物件運営時の賃料収入である不動産所得、物件売却時の譲渡所得があります。
不動産所得は、給与など他の所得と合算されて税金が計算される総合課税扱いになります。総合課税の税率は、所得が増えるごとに上昇する累進税率となっており、所得税と住民税を合算すると、最低15.105%から最高55.945%となっています。
そして、譲渡所得は、申告分離課税で、保有期間によって税率が変わります。譲渡した年の1月1日現在の保有期間が5年以下の不動産の売却益に対する税率は、短期譲渡所得として39.63%(所得税30.63%(復興特別所得税含む)、住民税9%)、保有期間が5年超の場合は、長期譲渡所得として20.315%(所得税15.315%(復興特別所得税含む)住民税5%)となっています。