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証券新聞7/2号「外国株式の所得計算」

2015-07-02 (Thu) 16:58
20150702
 
Q1.今年度より国内証券会社を通じて外国株式で資産運用を始めたのですが、所得を算出する際に適用する為替レート(対顧客電信買相場=TTB、対顧客電信売相場=TTS、仲値=TTM)がわかりません。教えていただけますでしょうか。
A1.外国株式に関する所得は、円換算したうえで所得金額を計算します。換算に際して適用するレートは以下となります。
(1)外国株式配当所得
日本国内の個人株主が受ける外国株式の配当金については、配当の支払い開始日のレートで円換算を行います。この場合の源泉徴収及び確定申告のための為替レートは、原則として支払の取扱い者公表しているTTBを適用します。
(2)外国株式譲渡所得
個人が外国株式を国内で売却する場合でも海外で売却する場合でも、売却したことによる所得は、国内株式と同様に「株式等による譲渡所得等」に分類され、「申告分離課税」の方法により所得税及び住民税の対象となります。
この場合、売却価額(外国通貨)の円換算については売却約定日のTTBを、取得価額(外国通貨)の円換算については購入約定日のTTSを適用します。円換算後、「売却価額-取得価額」によって「株式等による譲渡所得等」を計算することとなります。原則として双方ともに取引金融業者が公表するレートで換算を行います。
なお、取得時から売却時までの為替変動については、「株式等による譲渡所得等」に含まれることとなります。

Q2.外国株式の税金は海外と国内で二重に課税されるケースがありますでしょうか。その場合国内ではどのような手続きをとればよいですか。

A2.外国証券の投資にあたっては、ご質問のように配当・利子等に対して外国と日本で二重に課税されるという問題があります。このような国際的な二重課税を調整するために、外国税額控除が設けられています。
外国税額控除とは、国際的な二重課税を調整する目的で、外国で納付した外国税額を一定の範囲で国内の税額から控除する仕組みをいいます。
外国税額控除の対象となる外国所得税は、外国の法令に基づき外国又はその地方公共団体により個人の所得を課税標準として課税されるもの及びそれらに準ずるものをいいます。具体的には、以下算式で求められた金額(控除限度額)の範囲内で控除することができます。
 
□所得税の控除限度額 
その年分の所得税の額×(その年分の国外所得金額/その年分の所得総額)
※上記算式の「その年分の国外所得金額」とは、その年において生じた国内源泉所得以外の課税対象となる所得金額であり、本ケースにおいては、外国株式の配当所得が該当します。

外国税額控除を申請する場合、確定申告の際に「外国税額控除に関する明細書」を作成し、提出することとなります。
外国税額控除は、「外国所得税を納付することとなる日」の属する年分の所得税及び復興特別所得税の額から控除します。ここで「外国所得税を納付することとなる日」とは、申告、賦課決定等の手続により外国所得税について具体的にその納付すべき租税債務が確定した日をいいます。
本ケースにおいては、外国株式の配当に対して外国で源泉徴収された日の属する事業年度において、上記算式で計算された控除限度額を上限として、日本における所得税及び復興特別所得税の額から控除します。
Q3.租税条約の締結の有無は上記の手続きと関係ありますでしょうか。
A3.日本の法令では、たとえ租税条約の締結がない国で生じた税であっても、外国税額控除の対象になるとされています。「外国税額控除に関する明細書」及び外国所得税を課されたことを証する書類を税務申告書とともに提出することで、税額控除が可能となります。