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証券新聞4/3号

2015-04-02 (Thu) 13:18
「平成27年中に行う公社債の売買等にあたり税務上留意すべき点」
Q.来年(平成28年1月1日)から個人が所有する公社債等に関する課税方式が大きく変わると聞きましたが、私の所有する以下の公社債等について、どのような影響があるでしょうか。
(1)外貨建てMRF(為替等による含み益がある。)
(2)外貨建てMRF(為替等による含み損がある。)
(3)外国債(利付債)

20150403
 
A.平成25年度税制改正により、金融所得課税の一体化を進める観点から、個人が所有する金融商品の課税方法が大幅に変更されました。
その中で、個人が所有する公社債等に関し、特に影響が大きいと思われるものは、次のとおり譲渡及び償還の際の課税方法についてです。
 
取引 現行 平成28年1月1日以降
課税方式 区分(※2) 課税方式 損益通算(※6)
譲渡 非課税
(※1)
特定公社債等 申告分離課税
20%(※3)
(所得税15%、住民税5%)
可能(※4)
一般公社債等 可能(※5)
償還 総合課税
(雑所得)
特定公社債等 可能(※4)
一般公社債等 可能(※5)
 
(※1)例外的に、譲渡所得(総合課税)として課税されるものもあります。(措置法施行令第25条の15第2項において規定されるいわゆる割引債類似等)
(※2)特定公社債等には、特定公社債(国債、地方債、外国国債、公募公社債など)、公募公社債投資信託の受益権等が該当します。一般公社債等には、特定公社債以外の公社債、私募公社債等投資信託の受益権等が該当します。
(※3)平成25年から平成49年までは復興特別所得税(0.315%) が上乗せされます。
(※4)特定公社債等の利子所得、配当所得及び譲渡所得等の所得間並びに上場株式等の配当所得及び譲渡所得等との損益通算が可能です。また、控除しきれない損失は翌年以後3年間繰越可能です。
(※5)一般公社債等の利子所得、配当所得及び譲渡所得等の所得間並びに上場株式等以外の一般株式等の配当所得及び譲渡所得等との損益通算が可能です。
(※6)平成28年1月1日以降に発生する上場株式等の譲渡損益と上場株式等以外の一般株式等の譲渡損益は損益通算ができなくなります。

(1)含み益のある外貨建てMRFについて
現行では公社債等を譲渡した場合の譲渡益は非課税とされていることから、結果として為替による差益部分についても課税されません。一方、平成28年1月1日以降に譲渡した場合は20%の申告分離課税となるため、税負担のみを考慮した場合、含み益のある公社債等については、平成27年中に譲渡したほうが有利と考えられます。
 
(2)含み損のある外貨建てMRFについて
現行では公社債等を譲渡した場合の譲渡損はなかったものとされますが、平成28年1月1日以降は、他の金融所得と損益通算することが可能になります。そのため、含み損のある公社債等については、他の金融所得と通算することを目的に平成28年1月1日以降まで譲渡しないという選択も合理的と考えられます。
但し、損益通算できるのは同じグループ内の株式や公社債等から生じる所得に限定されていますので、保有している株式等や公社債等が上記(※4)(※5)のどちらのグループに属しているかを十分に確認しておくことが重要と考えます((※6)参照)。
 
(3)外国債(利付債)について
現行では公社債等を償還した場合の償還差益は雑所得として総合課税(累進税率)となる一方、公社債等を譲渡した場合には非課税となっているため、償還差益が見込まれている公社債等については償還期限が到来する前に譲渡することが節税となるケースがありました。
平成28年1月1日以降は、償還差益、譲渡益ともに20%(※3)の申告分離課税となるため、税負担での違いは生じません。