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証券新聞「平成27年度税制改正(出国時課税制度について)」

2015-01-22 (Thu) 14:00
Q1.平成27年度税制改正で「出国時課税制度」の導入が予定されていると聞きました。「出国時課税制度」とはどのような制度でしょうか。

20150122
 
A1. 出国時課税制度の概要は以下となります。

(1)出国時課税制度とは
「出国時課税制度」とは、簡潔に言えば、キャピタルゲイン(売却益)に対する課税回避目的での海外移住を防止するための措置です。
株式等のキャピタルゲインについては、租税条約上、基本的には株式等を売却した者が居住している国に課税権があります。この点を利用し、シンガポールや香港のようなキャピタルゲインが非課税となる国へ移住を行えば、キャピタルゲインに対する課税を免れることができます。
このようなキャピタルゲインに対する課税回避を目的とした海外移住を防止するため、出国時にキャピタルゲインに対して課税を行う仕組みが「出国時課税制度」です。
 
(2)適用対象者及び対象となる資産
適用対象者及び対象となる資産は以下のとおりです。
(1)適用対象者
出国日の前10年以内に国内で居住者であった期間の合計が5年超であり、かつ、対象資産(※下記(2)参照)の合計金額が1億円以上である者
(2)対象となる資産
所得税法に規定する有価証券、匿名組合契約の出資の持分、未決済デリバティブ取引・信用取引・発行日取引
 
(3)納税猶予制度について
「出国時課税制度」については、出国期間中に資産の売却を予定していないケースや、納税資金が十分でない可能性に配慮し、納税猶予の制度を設けております。
納税猶予制度を受けるためには、出国時に納税猶予分の所得税額に相当する担保を提供するとともに、納税管理人の届出をする必要があります。
ただし、5年以内に帰国しなかったり、出国期間中に資産を売却した場合には、納税猶予は終了し、終了時点で猶予されていた所得税(猶予期間の利子税含む)の納税する義務が生じることとなります。
なお、ビジネス上の理由などで5年を超えて海外に滞在しなければならないこともあるため、申告を条件にさらに5年間(つまり10年まで)延長が認められるとされています。
Q2.現在時価3億円程度の有価証券を有している者ですが、会社都合による一時的な出国の場合でも「出国時課税制度」の対象となってしまうのでしょうか。また、短期間の海外出張は「出国時課税制度」の適用対象となりますでしょうか。
A2.会社都合の一時的な出国の場合でも、国外転出をし適用対象の要件を満たす場合には、「出国時課税制度」の対象となります。
なお、国外転出とは国内に住所および居所を有しないこととなることをいい、国内に居住地を有したまま出国となる一時的な海外出張は、「出国時課税制度」の適用対象外となります。
Q3.納税猶予制度を受けて出向している期間中に資産の価値が大きく下落し、出国時の時価よりも相当程度低い金額で対象資産の一部を売却したケースにおいて、以下内容につき教えてください。
(1)対象資産の一部売却により全資産の納税猶予制度は終わってしまうのでしょうか
(2)出国後に時価が下落して売却したケースでも出国時の納税猶予額を納めなければならないのでしょうか。
A3.ご質問のケースにつきまして、以下ご回答いたします。
(1)売却した対象資産については終了しますが、売却していない対象資産については、引き続き納税猶予制度が適用されます。
(2)このようなケースでは出国時の時価と売却時の時価の差額に対応する所得税額につき、更正の請求を行うことができます。これは、資産価値の下落により売却しても納税資金が不足する可能性を考慮して認められるもので、納税猶予期間中に限られます。
Q4.「出国時課税制度」はいつから適用となりますでしょうか、教えてください。
A4.平成27年7月1日以後の出国(国外転出)からの適用が予定されております。