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証券新聞9/19号『ゴルフ会員権に係る損益通算』

2014-09-19 (Fri) 19:01
Q1.私は、30年前に購入したゴルフ会員権を今年の10月に売却する予定です。このゴルフ会員権には含み損がありますが、譲渡した場合には、確定申告において他の所得と損益通算できるのでしょうか。
20140904
 
A1.​ご質問のケースの場合には、損益通算できません。
ゴルフ会員権を売却した場合には、原則、譲渡所得として課税されます。例外として、ゴルフ会員権の譲渡が営利を目的として継続的に行われている場合にはその実態に応じて事業所得又は雑所得となります。
ここで、譲渡所得とは資産の譲渡による所得をいい、総合課税されるものと分離課税されるものに区分されます。有価証券の譲渡は通常、分離課税に分類されます。しかし、ゴルフ会員権の譲渡に関しては総合課税に分類され、他の給与所得や不動産所得などと合算して課税されます。
また、所得金額の計算方法は保有期間に応じて以下の通りとなります。

1.所有期間が5年以内のもの(短期譲渡所得)
譲渡収入金額-取得費-譲渡費用-50万円(特別控除額)=課税される金額

2.所有期間が5年を超えるもの(長期譲渡所得)
{譲渡収入金額-取得費-譲渡費用-50万円(特別控除額)}×1/2=課税される金額
したがって、ご質問のケースの場合には、30年間保有されていますので、長期譲渡所得に該当します。
なおゴルフ会員権の譲渡損の取り扱いについて、平成26年に次のような改正がありました。

<改正前>
ゴルフ会員権の譲渡損失は総合課税の譲渡所得内の通算及び他の総合所得との損益通算(ゴルフ場経営法人が破産した場合等を除く)ができる。

<改正後>
平成26年4月1日以後に行ったゴルフ会員権の譲渡損失は総合課税の譲渡所得内の通算についてはできるが、他の総合所得との損益通算ができない。
 
損益通算という制度は、個人の所得の計算上において、プラスの所得を合計するだけでなくマイナスの所得の控除を一定の範囲で認めるというもので、正味の所得に対して課税をすることを目的として行われるものです。なお、時価30万円超の宝石・絵画等のぜいたく品から生じた損失については損益通算の対象から外れます。損益通算制度の設立当初においてゴルフ会員権はぜいたく品として扱われていませんでしたが、一般に趣味や娯楽の目的で保有されている現在の実態を考慮して、損益通算の対象外とされました。
したがって、ご質問のケースの場合には平成26年3月31日までに売却していませんので、損益通算できません。

Q2.私は、現在海外で勤務をして5年が経ち、既に日本には住所はありません。近頃、荷物の整理をしていた所、20年前に日本で購入したゴルフ会員権を発見し、今年300万円で売却する予定です。しかし、購入当時の資料が見つからず、取得費が分かりません。この場合、日本ではどのように課税され、取得費はどのように扱われるのでしょうか。
A2.​ご質問のケースの場合には、原則として、日本において確定申告が必要であり総合課税により課税されることとなります。また、収入金額の5%(15万円)を取得費として計算することができます。
 国外において、継続して1年以上居住することを通常必要とする職業を有する場合には非居住者と推定されます。ご質問のケースの場合には5年間勤務していることから非居住者に該当します。また、日本国内で取得したゴルフ会員権を売却したことにより生じる所得は国内にある資産の譲渡により生ずる所得となるため、非居住者といえども、日本で所得を認識する必要があり、居住者の規定に準じて所得の計算をする必要があります。
また、購入時の取得費が分からない場合や、実際の取得費が収入金額の5%よりも少ないときには概算取得費として収入金額の5%を取得費とすることができます。
 ご質問のケースの場合、20年前に購入しているので長期譲渡所得に該当します。
そして、収入金額である300万円から取得費である15万円及び特別控除額50万円を控除した金額235万円の半分の117.5万円が総合課税の対象となります。その他に日本国内の所得が生じないようであれば、この金額を基に所得税が発生します。また、日本国内に住所を有しないことから住民税は課税されません。なお、租税条約の適用により、日本において免税とされる場合がありますのでご留意ください。