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証券新聞7/4号「自己株式公開買付けの場合の課税」

2014-07-03 (Thu) 13:18
Q.私は、ある上場会社の株式を保有しています。先日、その上場会社が自社の株式の公開買付け(自己株式公開買付け)を行うということを知りました。私が、この自己株式公開買付けに応じて株式を売却した場合、どのような課税がされるのでしょうか。
20140703
 
A.
(1)株式公開買付け
株式公開買付けとは、買付者が株式の買付条件を事前に公示して、不特定多数の株主からその保有する株式を株式市場外で買い付ける手続きです。TOB(Take Over Bid)という略称で言われることも多いです。この公開買付け制度には、経営権の取得等のために他社株式を買い付けるものと、発行会社自身が自己株式を買い付けるものがあります。会社の経営権に影響を及ぼすような一定規模以上の他社株式の買付けが行われる場合には、他の投資者への情報開示と平等な売却機会を保証する必要があります。また、自己株式買付けの場合には、発行会社自身の判断で行うことができるため、取引の透明性や公平性を確保する必要があります。このような観点からこの制度が設けられています。
 
(2)自己株式公開買付けにおける株主の課税関係
(1)みなし配当
発行会社が自己株式を取得(市場における取得等は除きます。)する場合には、株式を売却した株主には、みなし配当課税が生じます。みなし配当とは、株主が一定の事由により金銭その他の資産の交付を受けた場合において、会社法上の剰余金の配当ではないが実質的には剰余金の配当と変わらないときに、所得税法上配当所得とみなされるものをいいます。
みなし配当の金額は、交付金銭等の額から、資本金等の額のうち株式に対応する金額を控除して算出されます。通常の配当金と同様に20.315%の源泉徴収(所得税等15.315%、住民税5%)がされ、所得税の確定申告における取扱いも通常の配当金と同様に考えます。したがって、上場株式等のみなし配当であれば、通常、確定申告不要制度を選択できますし、又は申告分離課税を選択して上場株式等の譲渡損失と損益通算をすることもできます。総合所得として確定申告し税額控除を受けることもできます。なお、申告分離課税の適用対象外となる大口株主等(発行済株式等の3%以上の保有)に該当するかの判定は、その公開買付けの終了の日を基準日として行います。

(2)株式等に係る譲渡所得等
交付を受けた金銭等の額からみなし配当の金額を控除した金額を譲渡収入額として、その譲渡収入額から株式の取得価額を控除した金額が株式等に係る譲渡所得等の金額となります。この結果生じた譲渡所得の金額又は譲渡損失の金額は、通常の株式等の譲渡所得等と同様に考えます。
20140703図














(3)みなし配当及び譲渡所得の計算例
みなし配当の金額及び譲渡所得の計算について、簡単な例を用いてご説明します。
<具体例>
交付を受けた金銭等の額 1,000円(A)   
資本金等の額のうち株式等に対応する金額 600円(B)
株主が保有している1株あたりの取得価額 500円(C)
 
この場合の所得計算は次のようになります。
みなし配当の額 (A)-(B)=400円
譲渡所得の金額 (B)-(C)=100円