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証券新聞6/5号

2014-06-05 (Thu) 11:06
「個人向け国債のキャッシュバックキャンペーンに関する所得税上の取り扱い NISA口座による取引の留意点」
 
Q1.個人向け国債のキャッシュバックキャンペーンに応募して国債を購入したところ、40万円のキャッシュバックを受けることができました。このキャッシュバックによる収入については、所得税上どのような取り扱いになるでしょうか。

20140605
 
A1.ご質問のキャッシュバックによる収入については、所得税上は雑所得として取り扱われます。従って原則として確定申告する必要があります。
個人向け国債の購入者に対するキャンペーン景品の所得税上の取り扱いについては、平成21年3月に東京国税局の文書回答事例が公表されています。
キャッシュバックキャンペーンを実施して国債を販売しようとする会社からの事前照会事例で、キャンペーンの内容は、キャンペーン期間中に新規資金にて100万円以上購入した顧客に対し、購入金額に応じてギフトカード又はキャッシュバックのいずれか購入者が選択した景品を贈るというものです。
ここではキャッシュバックによる収入が、所得税上の一時所得に該当するか否かが論点となっています。この点について、文書回答事例では「当該景品の交付金額は、個人向け国債を募集期間内に100万円以上購入し、その購入の多寡に応じて決定されることになるため、当該景品の交付は、当該国債の購入という行為に密接に関連してなされているものと認められます。そうすると、当該景品は、対価性を有していることから、一時所得にも該当しません。」と判断しています。
一時所得の計算では50万円の特別控除が認められていますが、雑所得の計算には同様の控除はありません。また、一時所得のように、1/2を乗じて課税所得とされることもありません。そのため、税負担は雑所得のほうが重くなると言えます。所得税上、競馬の払戻金やテレビの懸賞等は一時所得として取り扱われているため、混同しないよう注意が必要です。
Q2.私はリタイア後の生活資金を確保するため、以前から特定口座で上場株式等への投資を行っています。また、今年から始まったNISA制度を活用しようと証券会社でNISA口座を開設し、年始に上場株式(70万円)を取得しています。
3月決算の会社の決算が出揃ったので保有銘柄の見直しを検討しているのですが、NISA口座での取引に関して、税務上留意すべき点があれば教えて下さい。
A2.NISA口座での取引については以下のような点に留意する必要があると考えます。

(1)NISA口座では譲渡益及び配当等については非課税となりますが、譲渡損の取扱いについては留意が必要です。通常の上場株式等の譲渡損を申告分離課税の対象とする場合であれば、他の上場株式等の譲渡益等と通算することができ、通算しきれない損失がある場合には翌年以降3年間繰り越すことが可能です。一方、NISA口座で譲渡した上場株式等の譲渡損はなかったものとみなされるため、他の上場株式等の譲渡益と通算することはできず、翌年以降に繰越すこともできません。 

(2)NISA口座で1年間に取得できる株式等の取得価額は合計100万円までと定められています。既に今年の枠を70万円使用しているようですので、残りの期間で取得できる株式は30万円となります。非課税枠内で取得した株式を譲渡した場合にもその年の非課税枠は回復しませんので、非課税枠の残りは30万円のままとなります。また、残りの期間で非課税枠を使い切らなかった場合、残り30万円の非課税枠について翌年以降に繰り越すことはできません。 

(3)NISA口座では、新たに取得した上場株式等のみを受け入れることができるため、一般口座や特定口座から直接NISA口座へ株を移すことはできません。一般口座や特定口座で保有している株式等をNISA口座へ移す場合には、一般口座又は特定口座で一旦売却してからNISA口座で新たに取得することになりますので、売却益が出た場合には課税が生じます。 

(4)NISA口座を開設することができるのは一人あたり一口座(一金融機関)のみとなっていますので、非課税口座を増やすことはできません。また、NISA口座を開設する金融機関を同一年で変更することは認められていませんので、金融機関を変更したい場合は、翌年まで待つ必要があります。