What's New 更新情報

証券新聞4/3号

2014-04-03 (Thu) 10:10
『外貨建株式、債券を譲渡及び償還した場合の為替差損益の所得税法上の取り扱い』
Q.外貨建株式、外貨建債券を譲渡した場合及び償還した場合の為替差損益の所得税法上の取り扱いについてご教示ください。

20140403

 
A.(1)外貨建取引の定義
所得税法上の外貨建取引は、外国通貨で支払が行われる資産の販売及び購入、役務の提供、金銭の貸付け及び借入れその他の取引をいい、居住者が外貨建取引を行った場合には、その外貨建取引の金額の円換算額はその外貨建取引を行った時における外国為替の売買相場により換算した金額として、その者の各年分の各種所得の金額を計算するものとされています(所得税法57の3第1項)。
外貨建取引とは、その支払が外国通貨で行われる取引をいいますので、金額が外国通貨で表示されている場合であっても、その支払が円貨により行われるものは、外貨建取引には該当しません。
よって、外貨建の株式や債券であっても、上述した外貨建取引の定義に当てはまらない場合には円貨建の株式や債券と同じ取扱いになり、所得を計算する上で、為替差損益を認識しないことになります。

(2)外貨建株式を譲渡した場合の為替差損益の取り扱い
外貨建株式を譲渡した場合に生じる譲渡損益は、譲渡金額及び取得価額の両方を円貨に換算してから計算します(租税特別措置法関係通達37条の10‐8)。その譲渡損益には、為替差損益も吸収されるため為替差損益の認識は必要ありません。

(3)外貨建債券を譲渡した場合の為替差損益の取り扱い
外貨建債券を譲渡した場合に生じる譲渡損益は、外貨建株式を譲渡した場合と同様に処理します(租税特別措置法関係通達37条の10‐8)。よって、為替差損益は認識しません。なお、平成27年までは、一定の債券を除き、譲渡損益は非課税です。

(4)外貨建債券を償還した場合の為替差損益の取り扱い
(1)償還差損益の定義と所得税法上の取り扱い
債券の償還差損益とは、償還金額がその発行価額(取得価額)を超える又は下回る場合におけるその差損益とされており、雑所得として取り扱われます(所得税基本通達35条第1項)。

(2)外貨建債券の償還差損益の算出方法
外貨建債券の場合、償還によって生ずる償還差損益は、(1)から外貨ベースでの償還差損益であり、以下の算式で計算されるものと考えられます。
20140403表1



(3)外貨建債券を償還した場合の為替差損益の取り扱い
(1)の換算方法に従い、償還金額及び取得金額をそれぞれ円換算すると為替差損益が生じます。具体的には以下の算式によって計算します。
20140408表2



当該為替差損益を所得として認識すべきかどうかは、所得税法第36条に規定する収入金額とすべき金額として実現しているかどうかにより判断します。
例えば、券面に表示された金額(元本相当額)と同じ金額が同一の外国通貨で支払われる場合の為替差損益は、単に債券購入時の円換算額と償還時の円換算額の評価差額にすぎず、同一の外国通貨である限り、為替差損益に相当する経済的価値が実現しているとは認められないと考えられるため、為替差損益は認識しません。しかし、他の外国通貨に換算される場合や、当該償還された外国通貨を外貨建債券等の他の財産の取得に充当した時は、新たな経済的価値(その投資及び換算時点における評価額)を持った資産が外部から流入したことにより、それまで評価差額にすぎなかった為替差損益に相当するものが収入金額として実現したものと考えられます。よって償還された外貨建債券の取得時の円貨額と新たな外貨建資産を取得した時の円貨額との差額を為替差損益として雑所得で認識します。