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証券新聞3/6号『ベンチャー投資促進税制』

2014-03-06 (Thu) 13:55
Q.私は昨年起業しましたが、事業資金を集めるのに大変苦労しています。
安倍政権の施策でベンチャー企業に資金が集まりやすくする税制が新たに創設されると聞いたのですが、どのような制度なのでしょうか。
20140306

 
A.平成25年10月に公表された「民間投資活性化等のための税制改正大綱」において、「民間企業等によるベンチャー投資の促進のための税制(以下、ベンチャー投資促進税制)」が新たに創設されることとなりました。
ベンチャーファンドを通じてベンチャー企業へ投資した企業(以下、企業投資家)に対して、出資額の80%を上限に損金算入を認めるという制度です。
安倍政権の「日本再興戦略」において、産業の新陳代謝を促進するためのベンチャー支援が掲げられており、本税制はその施策の一つと位置づけられます。
 
1.本税制の対象となる企業投資家
認定ファンド(下記3.参照)へ出資を行った国内法人が対象となります。
 
2.企業投資家における所得計算
企業投資家において、各事業年度の終了時に(認定ファンドを通じて)所有するベンチャー企業株式のその終了時点での税法上の帳簿価格の合計額の80%を限度に損失準備金として積み立てた金額が、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されます。
認定ファンドはベンチャー企業に出資した額をファンドの各年度の決算時に企業投資家に報告し、この報告に基づいて企業投資家が自社の決算において損失準備金を積み立てることになります。ファンドがベンチャー株を売却した場合も同様に決算時に企業投資家に報告し、企業投資家側では前年度末に積み立てた準備金を取り崩して益金の額に算入することになります。
 
3.認定ファンドの要件
主として事業拡張期にあるベンチャー企業に投資するファンドであって、産業競争力強化法に基づき経済産業大臣から投資計画の認定を受けたファンドが対象となります。既にベンチャー企業等に投資をしている投資事業有限責任組合は認定を受けることができません。
投資事業有限責任組合が認定を受けた日以後に、当該投資事業有限責任組合に出資をした者のみが、本税制の対象となります。他にもファンドの要件として以下のようなものが設けられる予定です。

(1)組合の要件
 ・投資事業有限責任組合契約に関する法律に基づく投資事業有限責任組合であること
 ・投資家から組合へ出資される金額の合計がおおむね20億円以上であること
 ・組合の投資計画における投資事業の実施期間が10年以下であること

(2)ガバナンス要件
 毎事業年度、実施状況報告書及び財務諸表等を経済産業省に提出すること

(3)ハンズオン要件
 組合契約書に、無限責任組合員が投資先企業に経営又は技術の指導を行うこと、必要に応じ取締役に経  
 営に関する意見を述べる旨が明記されていること

(4)投資先のベンチャー企業に関する要件
 ・大規模法人(資本金1億円超等)及び当該大規模法人と特殊の関係(子会社等)にある法人の所有に属さ
  ないこと
 ・株式会社であること(外国会社は対象外)
 
4.対象となる事業年度
本税制措置は、平成26年4月1日以後に終了する事業年度について適用されます。