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証券新聞9/5号『遺産未分割の場合の取扱い(株式関連等)』

2013-09-05 (Thu) 09:40
20130905
 
Q.先日夫が亡くなりました。夫の死後、相続人である私と子供たちとで何度も遺産分割協議をしましたが、誰がどの財産を取得するかでもめて、なかなか遺産分割協議がまとまりません。
未分割財産のなかに非上場の取引相場のない株式があり、この株式から生ずる配当を遺産分割協議がまとまるまでは長男が管理することになりました。この配当所得は相続人のうち誰が申告すべきでしょうか?
また、当該未分割の株式についての株主総会における議決権行使は相続人のうち誰が行うことができるのでしょうか?
A.相続財産について遺産分割が確定していない場合、その相続財産は各共同相続人の共有に属するものとされ、その相続財産から生ずる所得は、各共同相続人にその相続分に応じて帰属するものとなります。
したがって、遺産分割協議が整わないため、共同相続人のうちの特定の人がその配当を管理しているような場合であっても、遺産分割が確定するまでは、共同相続人がその法定相続分に応じて申告することとなります。
なお、遺産分割協議が整い、分割が確定した場合であっても、その効果は未分割期間中の所得の帰属に影響を及ぼすものではありませんので、分割の確定を理由とする更正の請求又は修正申告を行うことはできません。


株式が共有状態にある場合の議決権行使について、会社法は次のように定めています。
「株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りではない。」
すなわち、相続人間の協議で、株式の権利行使者1名を選定してこれを会社に通知し、この権利行使者が議決権を行使することになります。
なお、権利行使者の指定、通知は、会社の便宜を考慮して定められたものですので、会社が個別に同意すれば、その指定や通知がない場合でも、相続人側による権利行使が可能となります。

 
Q.相続人間で遺産分割協議が整っていない状況で取引相場のない株式を評価する場合、各相続人に適用されるべき評価方式を判定する基礎となる「株式取得後の議決権の数」はどのように取扱われるのでしょうか?

A.取引相場のない株式は、純資産価額方式、類似業種比準方式又はこれらの併用方式により評価することを原則としています(原則的評価方式)が、少数株主が取得した株式については、特例的な措置として配当還元方式により評価することとしています(特例的評価方式)。
遺産未分割の状態は、遺産の分割により具体的に相続財産を取得するまでの暫定的、過渡的な状態であり、将来、各相続人等がその法定相続分等に応じて確定的に取得するとは限りません。
そこで、その納税義務者につき特例的評価方式を用いることが相当か否かの判定は、当該納税義務者が当該株式の全部を取得するものとして行う必要があります。
Q.相続税の申告期限までに遺産分割協議がまとまらなかった場合には、「配偶者の税額軽減の特例」を受けることができないと聞いたことがありますが本当でしょうか?
A.相続税の申告期限までに遺産分割協議がまとまらなかった場合には、「配偶者の税額軽減の特例」の適用を受けることはできません。ただし、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出しておき、相続税の申告期限から3年以内に分割された場合には、特例の適用を受けることができます。この場合、分割が行われた日の翌日から4か月以内に「更正の請求」を行うことができます。
なお、相続税の申告期限の翌日から3年を経過する日において相続等に関する訴えが提起されているなど一定のやむを得ない事情がある場合において、申告期限後3年を経過する日の翌日から2か月を経過する日までに、「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出し、その申請につき所轄税務署長の承認を受けた場合には、判決の確定の日など一定の日の翌日から4か月以内に分割されたときに、特例の適用を受けることができます。
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