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証券新聞8/8号『FXの税務』

2013-08-08 (Thu) 17:57
Q.FX取引での損失は、所得税の計算上他の先物取引の利益と相殺することができ、また、損失が発生した場合翌年以降に繰り越すことができると聞きました。どのような税制となっているのでしょうか。
20130808


 

A.FX取引(外国為替証拠金取引)とは、一定の証拠金を担保として、その証拠金の何倍もの金額の外貨を取引するデリバティブ取引をいいます。FX取引には金融庁に登録された金融先物取引業者を通じて取引所で行われる取引所取引と、店頭で行われ取引所を介さない店頭取引があります。平成23年以前は、取引所取引と店頭取引で税制が異なりましたが、平成24年1月1日以降の取引については、両者とも同じ税制上の取り扱いとなりました。
 
1.FX取引の仕組み
 FX取引では、まず新規取引を行って外貨を保有します。そして、新規取引と反対の決済取引を行うことで、ポジションを決済し、新規取引と決済取引との差損益を得ることができます。例えば、1ドル=100円のときに、10万円の証拠金を担保に、1万ドルの「買いの新規取引」を行います。その後、1ドル=110円のときに1万ドルの「売りの決済取引」を行うことにより、10万円(110円×1万ドル-100円×1万ドル)の売買差益を受け取ることができます。また、売買差損益だけでなく、スワップポイントという通貨の金利差により得られる利益もあります。
 
2.FX取引にかかる税金
 FX取引の利益の計算は、次のようになります。
 為替差益+スワップポイント-必要経費=FXの利益
 このFXの利益に対して課税されることとなります。利益が生じた場合は、「先物取引に係る雑所得」として、所得税15.315%(復興特別所得税0.315%含む)および住民税5%の税率で申告分離課税の対象となります。
 
3.FX取引で損失が発生した場合
 他の商品先物取引や店頭商品デリバティブなどの申告分離課税の対象となる先物取引で発生した損益と損益通算が可能です。よって、FX取引で生じた損失は、他の分離課税の対象となる先物取引による利益と相殺することとなります。ただし、他の雑所得などと通算することはできません。
 
4.損失の繰越控除
 先物取引に係る雑所得全体で損失が生じた場合は、一定の要件のもと、その損失が生じた年の翌年以降3年間にわたって繰り越して、順次、その翌年以降の先物取引に係る雑所得等の金額から控除することができます。なお、損失を繰り越す場合は、損失が生じた年分の確定申告書に(1)先物取引の差金等決済に係る損失の金額の計算明細書および(2)先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書を添付し、かつ、その翌年以後に連続して確定申告書を提出して、繰越控除の適用を受けようとする年分の確定申告書に、この繰越控除を受ける金額の計算明細書など一定の書類の添付がある場合に限られますので注意が必要です。
 
<FX取引の税制上の取り扱い>
課税方法 「先物取引に係る雑所得」として申告分離課税。
税率 一律20.315%(所得税15.315%、住民税5%)。
損益通算 他の申告分離課税の対象となる先物取引との通算が可能。
繰越控除 その年に控除しきれない損失を、翌年以降3年間、申告分離課税の
先物取引にかかる雑所得から繰越控除が可能。
ただし、確定申告書に一定の書類の添付が必要。