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平成25年度税制改正法案(金融証券税制の今後の留意点)

2013-05-10 (Fri) 11:36
Q.私は、以前から主にキャピタルゲインを目的とした金融商品投資を行っております。平成25年度税制改正によって、金融商品売買に関する税制が大きく変わると聞きましたが、改正の概要と改正を踏まえた今後のアクションについて留意すべき点があれば教えて下さい。
20130507

 
A.
(1)上場株式等に係る軽減税率の廃止
現在、特例措置として認められている上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る10%(所得税7%、住民税3%※)の軽減税率が平成25年12月31日すなわち本年をもって廃止となり、平成26年以降の適用税率は20%(所得税15%、住民税5%)に倍増します。
そのため、上場株式等を売却するには年内が絶好の機会といえます。含み益を抱えた上場株式を保有している場合には、売却による換金化等を検討してみてはいかがでしょうか。

(2)日本版ISA(少額投資非課税制度)
上場株式等に係る軽減税率廃止に併せて、平成26年1月1日から日本版ISAが導入されます。これは、非課税口座開設日以後5年間、毎年100万円までの上場株式等に係る配当等及び譲渡益が非課税となる制度で、5年間で最大500万円の投資総額から生ずる譲渡益及び配当等が非課税となります。この非課税口座は平成26年から平成35年までの10年間開設することができます。また、この非課税口座の利用期間は設定当初は5年間ですが、5年経過後に残枠がある場合、その分についてあらたに非課税口座を開設することで再度5年間利用することができます。
一方、留意しなければいけないのは譲渡損の取扱いです。通常の上場株式等は申告分離課税を選択している場合であれば、譲渡益との通算及び3年間の繰越が可能ですが、当該非課税口座で生じた譲渡損はなかったものとみなされます。
譲渡益や配当が非課税となるため、基本的には利用すべき有利な制度ではありますが、譲渡損の取り扱いもを加味した上で非課税口座で取り扱う銘柄を検討されてはいかがでしょうか。
 
(3)金融所得一体化課税の開始
平成28年1月1日より、金融商品に係る課税形態が大きく変わります。現行、債券や公社債投資信託の譲渡益は一部を除き非課税となっていますが、平成28年1月1日以降、譲渡益に対し20%(所得税15%、住民税5%)の申告分離課税となります。
また、これらは特定公社債等と一般公社債等に区分され、前者は上場株式、後者は非上場株式の譲渡損益と通算が可能になります。つまり裏を返せば、現行可能である上場株式と非上場株式の譲渡損益の通算が平成28年1月1日以降は認められなくなるということになります。
この様に平成28年1月1日を境に譲渡損益に関する税負担が大幅に変動します。そこで、平成27年末までに含み益のある債券、公社債投資信託の益出し及び上場株式と非上場株式の譲渡損益の通算を検討されてはいかがでしょうか。
 
(まとめ)
 
改正内容 税額の増減 適用開始
   (1)上場株式等に係る軽減税率の廃止 平成26年1月1日~
   (2)日本版ISA(少額投資非課税制度) 増/減 平成26年1月1日~
   (3)金融所得一体化課税の開始 増/減 平成28年1月1日~
 
上記の通り、金融商品に関する税制はこの数年間で大きな変革期にあり、これに備えるため、まずは保有商品の棚卸を実施してみることをおすすめします。
 
※所得税に対して2.1%の復興特別所得税が上乗せされます。以下同じ