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証券新聞3/22『平成25年度税制改正大綱(教育資金贈与)』

2013-03-22 (Fri) 18:26
Q.平成25年の税制改正により、孫に対する教育資金の贈与ができるようになる、という話を聞きました。私にも孫がいるので、どのような制度か教えてください。
20130322


 
A.
(1) 教育資金贈与制度の概要
30 歳未満の受贈者が、(1)その直系尊属(親や祖父母)と信託会社との間の教育資金管理契約に基づき信託受益権を取得した場合、(2)その直系尊属からの書面による贈与により取得した金銭を教育資金管理契約に基づき銀行等で預金・貯金として預入をした場合、(3)教育資金管理契約に基づきその直系尊属からの書面による贈与により取得した金銭等で金融商品取引業者の営業所において有価証券を購入した場合には、取得した信託受益権や金銭等のうち1,500 万円までの部分については、取得時点では贈与税が課税されません。
 
(2)適用を受けるための手続
この制度の適用を受けようとする受贈者は、「教育資金非課税申告書」を、取扱金融機関の営業所等を経由して、信託等がされる日までに、受贈者の納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。その後、取得した金銭等を使用した場合には、領収書等を取扱金融機関に提出します。取扱金融機関では、それらを記録・保管します。
 
(3)教育資金管理契約の終了
教育資金管理契約は、(1)受贈者が 30 歳に達した日、(2)教育資金管理契約に係る信託財産の価額が零となった場合等で受贈者と取扱金融機関の合意で教育資金管理契約が終了した日、(3)受贈者が死亡した日、のいずれか早い日に終了します。
 
(4)教育資金に課される贈与税
教育資金管理契約の終了事由が(3)の場合には贈与税は課税されませんが、終了事由が(1)か(2)の場合には、次の金額が契約終了日の属する年の贈与税の課税価格に算入されます。
 

課税価格算入額  =  信託等により取得した金額 - 教育資金に充てられた金額(*1)
 
*1…取扱金融機関により記録された金額
 
(5)扶養義務者相互間で行なわれる教育費贈与との違い
 そもそも、扶養義務者相互間で教育費を贈与した場合、贈与税は課税されないこととされています(相法21条の3)。この扶養義務者には直系尊属も含まれると考えられますので(民法877条)、今回の改正法案に盛り込まれた教育資金贈与制度との違いが分かりにくいですが、両者の重要な相違点は、贈与税の課税時期にあります。
扶養義務者相互間の教育資金贈与であれば、贈与があった日の属する年が課税対象期間となります。この場合、その年分の教育資金として使われない金額については、将来使われることが見込まれているとしても、贈与税の課税対象となります。これを避けるために教育資金を必要な都度贈与し、それ以外を預金(名義預金を含む)のまま保持した場合には、相続発生時までに使われなかった額が相続財産となり、相続税の課税対象となります。
一方、教育資金贈与制度を活用した場合、課税対象期間は前述のとおり教育資金管理契約の終了日の属する年となります。つまり、教育資金贈与制度を活用して将来の教育資金を贈与すれば、贈与税の課税時期が先延ばしされ、一度にまとまった資金を贈与することが容易になり、結果として将来の教育資金を祖父母等の相続財産から早期に切り離せます。高齢者から年少者への贈与では、特に効果がありそうです。
 
(6)適用を受けられる期間
この制度の適用を受けられるのは、平成 25 年4月1日から平成 27 年 12 月 31 日までの間に贈与されたものに限られます。なお、現時点では平成25年度税制改正法案(所得税)はまだ可決されていませんので、今後の国会動向を注視する必要があります。
 
(7)その他の留意点
 法案を読む限りでは、教育資金管理契約の具体的な内容についてはまだ明らかにされていません。また、教育資金贈与により取得した金銭等の運用について、有価証券を取得することが可能である旨は明文化されていますが、有価証券の範囲がどこまで認められるのかについては定かではありません。
 
(8)まとめ

 
受贈者 贈与者 非課税枠 課税時期 課税対象
30歳未満 直系尊属 1,500万円 教育資金管理
契約の終了時
教育資金に充当
されなかった額
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