What's New 更新情報

証券新聞12/20号「株式譲渡所得の譲渡費用について」

2012-12-20 (Thu) 17:54
Q.上場株式等を売却した時の税金(譲渡所得)の計算で、売却収入から控除することができる費用として、その株式等を購入した費用や証券会社への売買手数料以外のものがあると聞きました。どのような費用が控除できるのでしょうか。
20121220


A.上場株式等を売却した場合の、譲渡所得の金額の計算上、売却収入から控除できる費用として、譲渡した株式等の取得価額や売買手数料以外に控除できるものとして、譲渡にかかった費用や譲渡した株式等を取得するために要した借入金の利子があります。
上場株式等を売却した場合の、譲渡所得の金額の計算は次のようになります。
「株式等の譲渡による譲渡所得の金額=株式等の譲渡に係る収入金額-株式等の取得費-譲渡費用-借入金利子」
 では、収入金額から控除できるものをそれぞれ説明します。
(1)株式等の取得費
 基本的には、払込みにより取得した株式等であれば、払い込んだ金額、購入(買付け)した株式等であれば、その購入対価であり、購入手数料など購入のために要した費用がある場合は、その費用の額を加算した金額となります。購入のために要した費用としては、株式等を購入するに当たって支出した買委託手数料などの購入手数料(その手数料に係る消費税及び地方消費税を含む)のほか、交通費、通信費、名義書換料等が該当するものとされています。
 また、同じ銘柄を2回以上にわたって取得したものの一部を譲渡した場合の取得費は「総平均法に準ずる方法」により算出することとなります。「総平均法に準ずる方法」とは、譲渡の直前に有しているすべての同一銘柄の株式について、それぞれの取得価額の合計を株数の合計で除して1株当たりの取得価額を算出し、譲渡した株数を乗じて取得費を算出する方法です。この場合、譲渡されない残りの株数があるときは、今回の譲渡で計算した1株当たりの取得価額に残りの株数を乗じた金額が、次回の譲渡の際に使用する「総平均法に準ずる方法」における、それぞれの取得価額となります。
 なお、譲渡した株式等が相続したものであるとか、購入した時期が古いなどのため取得費が分からない場合は、同一銘柄の株式等ごとに、取得費の額を売却代金の5%相当額とすることもできます。実際の取得費が売却代金の5%を下回る場合にも、同様に5%相当額を取得費とすることができます。

(2)譲渡費用
 株式等の譲渡による譲渡所得における譲渡に要した費用としては、売却のための委託手数料、その委託手数料に係る消費税などがあります。また、投資顧問料等の費用についても売買と密接に関連しているものについては、譲渡費用として控除できるものと考えられます。例えば、売買損益に対して一定額の報酬を成功報酬として支払うものなどに係る投資顧問料は譲渡費用として譲渡所得から控除できるものと考えられます。一方で、単に情報の提供を受けるものでその情報によって売買することもあれば、しない場合もあるものについては株式等の売買との繋がりが明確でないことから、譲渡費用とすることはできないものと考えられます。

(3)借入金利子
 その年に譲渡した株式等を取得するために要した借入金の利子で、その年中に支払うべき金額についても、収入金額から控除できる費用となります。なお、借入金利子は配当所得の金額の計算上、配当収入から控除することができることとされていますが、譲渡所得の起因となった株式等を取得するために要した負債の利子は、配当等の収入金額から控除することはできなくなります。
 今年も残すところあと2週間ほどになりました。所得税は12月が決算ですので、益出しや損出しなど決算対策を進める頃合いです。対策をご検討の際は、お取引のある証券会社や税理士等専門家にご相談下さい。