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『新株予約権を付与した場合の法人・役員の課税関係について』

2012-11-22 (Thu) 10:41
Q.私が経営する会社では、取締役に対する役務提供の対価として、固定給とは別に、譲渡制限を付した新株予約権(税制非適格)を発行する予定です。金銭の払込を取締役には求めず、報酬債権と相殺させる方法を考えています。この場合、(1)新株予約権を付与された取締役および(2)新株予約権を付与した法人における、一般的な課税関係について教えてください。
20121122


A.
1.権利付与時
(1)取締役
質問の報酬債権が、金銭が支払われることなく新株予約権の払込金と相殺のみのために生じるものであれば、権
利行使まで経済的利益が実現しないことから、付与時において課税関係は生じません。
(2)法人
同じく課税関係は生じません。報酬債権と相殺させる方法で付与された新株予約権については、付与された個 
人が給与所得等を認識すべき日に、法人が役務の提供を受けたものとされます。

2.権利行使時
(1)取締役
権利行使時の株価(時価)から権利行使価額を控除した金額(権利行使益)が、給与所得として課税されます(所令84、所通23~25共-6)。
(2)法人
取締役が給与所得として課税されるのと同じタイミングで、権利行使益相当の金額が損金に算入されます(法法54)。なお、通常の役員報酬であれば損金算入には一定の制限(定期同額給与など)が課されていますが、報酬債権と相殺させる方法で付与された新株予約権の権利行使益については、当該制限が課されません(法法34)。

3.株式譲渡時
(1)取締役
新株予約権を行使して取得した株式を譲渡した場合は、一般的な株式の譲渡と同様に取り扱われます。具体的には、株式の譲渡価額と株式の取得費(権利行使時の株価)等の差額が、株式等の譲渡所得として課税されます。
(2)法人
株主の移動に過ぎないため、法人で課税関係は生じません。
 


Q.Q1で、会社への帰属意識が高まるよう、新株予約権の時価に相当する金銭の払込を取締役に求めた場合、(1)新株予約権を付与された取締役および(2)新株予約権を付与した法人における、一般的な課税関係について教えてください。


A.
1.権利付与時
(1)取締役
金銭を払込んでおりかつ新株予約権を付与時の時価で取得しているため、収入すべき金額がなく、課税関係は生じません。
(2)法人
同様に課税関係は生じません。

2.権利行使時
(1)取締役
権利行使時の株式の時価と、新株予約権の取得費(付与時の払込金額+権利行使価額)等に差額が生じたとしても、当該差額は保有する有価証券の含み損益に過ぎず、所得としては認識しません。
(2)法人
課税関係は生じません。金銭の払込みにより有償で新株予約権を発行した場合、株式報酬費用は発生せず、損金に算入する金額はありません。

3.株式譲渡時
(1)取締役
新株予約権を行使して取得した株式を譲渡した場合は、一般的な株式の譲渡と同様に取り扱われます。具体的には、株式の譲渡価額と株式の取得費(付与時の払込金額+権利行使価額)等の差額が、株式等の譲渡所得として課税されます。
(2)法人
株主の移動に過ぎないため、法人で課税関係は生じません。