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証券新聞10/18号

2012-10-18 (Thu) 10:51
Q.任意組合等の組合員の所得の金額の計算上、総収入金額又は必要経費に算入する利益の額又は損失の額の計算方法の取扱いが変わったということですが、どのように変わったのでしょうか。
20121018



A.東京高等裁判所の判決(平成23年8月4日付)により、平成24年8月30日に所得税法基本通達が改正されました。
 
 改正前では、任意組合等の組合員の所得の金額の計算上、総収入金額又は必要経費に算入する利益の額又は損失の額の計算方法(以下、「利益等の額の計算方法」という。)は、以下の(1)を原則とし、継続適用を条件として、(2)又は(3)の採用が認められていました。
 

(1)組合事業に係る収入金額、支出金額、資産、負債等をその分配割合に応じて各組合員のこれらの金額とし  
  て計算する方法(総額方式)。
  総額方式の場合、組合事業に係る費用・収益項目(非課税所得、配当控除、源泉徴収税額の控除)及び
  資産・負債項目(引当金の繰入、準備金の積立)について、税務上の適用を受けることができる。

≪税務(会計)処理例≫
組合の保有している資産は現金預金と有価証券で、発生する収益・費用は受取配当金(源泉所得税あり)、有  
価証券売却益、支払手数料のみとした場合(以下の例も同様)。

(借方) 現金預金 ×× (貸方) 受取配当金 ××
  有価証券 ××   有価証券売却益 ××
  源泉所得税 ××      
  支払手数料 ××      

 (2)組合事業に係る収入金額、その収入金額に係る原価の額及び費用の額並びに損失の額をその分配割合に
   応じて各組合員のこれらの金額として計算する方法(中間方式((1)の総額方式と(3)の純額方式の中間の
   方式))。
   中間方式の場合、費用・収益項目については、税務上の適用を受けることができる。ただし、資産・負債項目
   については、税務上の適用はない。

≪税務(会計)処理例≫

 (借方) 組合出資金 ×× (貸方) 受取配当金 ××
  源泉所得税 ××   有価証券売却益 ××
  支払手数料 ××      

 (3)組合事業について計算される利益の額又は損失の額をその分配割合に応じて各組合員にあん分する方法
  
  (純額方式)
  純額方式の場合、費用・収益項目及び資産・負債項目ともに税務上の適用はない。

≪税務(会計)処理例≫

 (借方) 組合出資金 ×× (貸方) 組合利益 ××

 
 改正後では、原則は総額方式であることは変わりませんが、中間方式又は純額方式の採用は、「総額方式により計算することが困難と認められる場合で、かつ、継続適用した場合」に認められることとなり、採用できる場合が限定されています。
 ここで、「計算することが困難と認められる場合」とは、組合事業について計算される利益の額又は損失の額のその者への報告等の状況、その者の組合事業への関与の状況等からみて、組合事業に係る収入金額、支出金額、資産、負債等を明らかにできない場合をいいます。
 
なお、この改正は、平成24年8月30日以後に締結される組合契約により成立する任意組合等の組合事業の「利益等の額の計算方法」について適用されます。平成24年8月30日前に締結された組合契約により成立した任意組合等の組合事業の「利益等の額の計算方法」については、改正前の方法が適用されます。