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証券新聞9/21号『上場株式税制に関する特例及び優遇措置』

2012-09-21 (Fri) 11:02
Q.私は、最近株式投資を始めたのですが、上場株式の譲渡益及び配当に関する課税には、様々な特例や優遇措置があると聞きました。その概要と適用期限について教えてください。
20120921



A.
(1) 現行における上場株式に係る税制

上場株式の譲渡益及び配当に関する課税には、下記のような特例及び優遇措置が設けられています。(現在は、未適用でも将来の適用が決定しているものも含めています)

(1) 軽減税率
平成25年12月31日までの上場株式等の譲渡所得及び上場株式等の配当所得の税率は10%(所得税7+住民税3%)と優遇されています。ただし、平成26年1月1日以降は、20%(所得税15%+住民税5%)となります。

(2) 申告不要の特例
  源泉徴収を選択した特定口座内で行われた上場株式の譲渡益については、口座を開設した金融商品取引業者等が所得税を徴収、納付するため、この分に関する申告は不要となります。なお、源泉徴収される税率については、(1)と同様に、平成25年12月31日までは10%(所得税7+住民税3%)、平成26年1月1日以降は、20%(所得税15%+住民税5%)となります。

(3) 上場株式の譲渡損失と配当所得の損益通算
   その年分の上場株式の譲渡所得の金額の計算上、譲渡損失が生じた場合、これらの損失を上場株式の配当所得の金額から控除することができます。ただし、配当所得は申告分離課税を選択したものに限られます。平成22年分以降は、源泉徴収を選択した特定口座に上場株式の配当を受け入れると、その口座内で上場株式の譲渡損失と損益通算した上で源泉徴収され、確定申告不要制度の適用が受けられます。

(4) 譲渡損失の繰越控除
   上場株式の譲渡損失と配当所得の損益通算を行っても、なお控除しきれない損失がある場合、もしくは、配当所得と損益通算しない場合の譲渡損失の金額は、翌年以後3年間にわたり繰り越し、確定申告により上場株式等の譲渡所得及び配当所得から控除することができます。これにより、損失が生じた年は課税がないのは変わりませんが、その年以後3年以内に利益が生じた場合はその利益から繰り越された損失を控除した分だけ所得が少なくなります。

(5) 特定管理株式の無価値化損失のみなし譲渡損
特定口座に預け入れている上場株式が上場廃止になり、その後破産などによる一定の事実によって株式の価値が喪失した場合、一定の金額を譲渡損失とみなすことができます。

(6) 非課税口座の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税の特例
   金融商品取引業者等に開設した非課税口座において管理されている上場株式等にかかる配当等で、その非課税口座の開設の日の属する年の1月1日から10年以内に支払を受けるものについては、所得税及び住民税は課されません。また、非課税口座開設の日の属する年の1月1日から10年以内にその非課税口座に係る非課税口座内上場株式等の金融商品取引業者等への売委託等による譲渡をした場合には、その譲渡による譲渡所得等については、所得税及び住民税は課されません。また、非課税口座上場株式の譲渡による損失金額は、所得税及び住民税に関する法令の規定の適用上、ないものとみなされます。そのため、譲渡損失が発生しても上記の通算及び損失の繰越はできません。
   この非課税口座は、平成26年から28年までの各年に、その年の1月1日において満20歳以上の投資家が、1人につき1年1口座に限って開設することができます。

(2)平成25年度税制改正の動向
平成24年9月12日(水)に平成25年度税制改正要望が、内閣府から発表されました。これは、各省庁が発表する税制改正に対する要望で、これらをもとに税制改正要綱が作成されるため、税制改正の争点ともいえます。金融庁からは次のような要望が出ています。特に公社債の課税関係の改正については注目されます。ただし、あくまで「要望」のためこれに沿った改正が行われるとは限らないことに御留意下さい。

(1) 上場株式の組織再編等における個人株主の課税方法の簡素化等
上場株式の組織再編時等において
・国内の個人株主が、株式のみ交付を受ける場合は、課税の繰り延べを認めること。
・国内の個人株主が、株式と金銭の交付を受ける場合は、当該資産の交付を譲渡所得とすること等
(2) 金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大・公社債等に対する課税方式の変更)
金融商品間(上場株式等、公社債、預金、デリバティブ取引等)の損益通算の範囲等を拡大すること。また、上場廃止後に無価値化した株式について損益通算の対象とすること等。

(3) 少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置の恒久化等
1.投資可能期間を(平成26年からの3年間だけでなく)恒久化すること
2.対象商品を拡大し、公社債、公社債投資信託への投資を可能とすること等

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