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9/6号証券新聞『ゴルフ会員権取得費変更』

2012-09-06 (Thu) 13:55
Q.預託金が切り捨てられたゴルフ会員権を譲渡した場合の、所得税の計算方法が変更され、既に申告したものについても還付を受けることができる可能性があると聞きました。御教示下さい。
20120906


A.先ごろ6月27日付け東京高裁判決を踏まえ、ゴルフ会員権の譲渡所得に係る取得費の取扱いが変更されました。過去に譲渡され、所得税を申告・納税している方についても、今回の取扱いを遡って適用することができ、納め過ぎとなっている所得税があれば還付されることになります(申告期限から5年を経過しているものは対象となりません)。

(1)変更前の取扱い
 従前は、会社更生法等により自主再建型の再建が行われたゴルフ会員権を譲渡した際の譲渡所得の金額の計算において、当該譲渡による収入金額から控除する取得費は、(1)会社更生法に基づく再生計画による更生手続等により、預託金債権の一部のみを切り捨てられた場合には、切り捨てられた損失の金額を認識せず、取得価額から減額(付け替え)しないものと取扱い、また、(2)預託金債権の全額を切り捨てられた場合には、更正手続等により取得した優先的施設利用権のみのゴルフ会員権の時価相当額として取り扱ってきました。

(2)変更後の取扱い
 (1)(2)の預託金が全額切り捨てられたケースにおいて、今回上記の取扱いが変更されることとなりました((1)(1)については変更ありません)。変更後は、預託金債権の全額を切り捨てられたことにより優先的施設利用権のみのゴルフ会員権となったときであっても、当該更生手続等により優先的施設利用権が、次の(1)および(2)に掲げる状況その他の事情を総合勘案し、更正手続等の前後で変更なく存続し同一性を有していると認められる場合には、そのゴルフ会員権を譲渡した際の取得費については、更正手続等前の預託金会員制ゴルフ会員権を取得したときの優先的施設利用権部分に相当する取得価額とするとされました。
(1)当該更正計画等の内容から、優先的施設利用権が会員の選択等にかかわらず、当該更正手続等の前後で変更なく存続することが明示的に定められていること。
(2)当該更正手続等により優先的施設利用権のみのゴルフ会員権となるときに、新たに入会金の支払いがなく、かつ、年会費等納入義務等を約束する新たな入会手続が執られていないこと。

(3)計算例
 変更後の取扱いによる計算例は次のようになります。
(事例1)は新規募集に応じて取得した場合、(事例2)は会員権取引業者から取得した場合です。
(事例1)更正手続前のゴルフ会員権は、新規募集に応じて取得したもので、入会金500万円、預託金2,000万円を支払いました。その後預託金が全額切り捨てられた後に、このゴルフ会員権を売却した場合の取得費は次のように計算します。2,000万円(預託金)+500万円(入会金)-2,000万円(切り捨てられた預託金)=500万円(取得費)
(事例2)更正手続前のゴルフ会員権は、ゴルフ会員権業者から取得したもので、購入の際に、ゴルフ会員権の購入価額250万円、名義書換料100万円を支払いました。なお、このゴルフ会員権の新規募集時は、入会金500万円、預託金2,000万円となっていました。その後預託金が全額切り捨てられた後に、このゴルフ会員権を売却した場合の取得費は次のように計算します。(1)まず、取得価額に含まれる優先的施設利用権に相当する部分の金額を算出します。250万円(ゴルフ会員権の購入価額)×500万円/(2,000万円+500万円)(預託金/預託金+入会金)=50万円(優先的施設利用権に相当する部分の金額)(2)(1)の金額に名義書換料を加算します。50万円((1)の金額)+100万円(名義書換料)=150万円(取得費)

(4)還付を受けるには
 この取扱いは、過去に遡って適用することとされています。過去の所得税の申告の内容に異動が生じ所得税が納め過ぎになる場合には、この取扱いの変更があった日から2カ月以内に所轄の税務署に更正の請求をすることにより、当該納め過ぎとなった所得税の還付を受けることができます。更正の請求をする場合には、更正計画等この取扱いを受ける要件を満たしていることがわかる書類を併せて提出することとなります。
 なお、法定申告期限等から既に5年を経過している年分の所得税については、法令上、減額することはできないとされています。