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証券新聞5/8号『更正の請求書と更正の申出書』

2012-05-08 (Tue) 15:04
Q.私は会社勤めのサラリーマンですが、給与所得以外にも証券投資による所得があります。
そのため、毎年確定申告書を提出していますが、最近になって平成22年分と平成23年分の一般口座での証券取引による損失を申告しておらず、本来より多くの所得税を支払っていたことが判明しました。
そこで、申告税額の減額の請求を考えていますがどのような手続きを行えばよろしいでしょうか。
20120508


A.平成22年分に関しては更正の申出書を、平成23年分に関しては更正の請求書を提出することにより納め過ぎた税金の還付手続きを行うこととなります。

既に行った確定申告について、納める税金が多すぎた場合や還付される税金が少なすぎた場合に行う手続として「更正の請求」があります。これは税務署長に更正の請求書を提出することにより行います。
この更正の請求手続に関して、平成23年12月2日に公布・施行された平成23年度税制改正により平成23年12月2日以降から次のように改正となりました。
従来は、全ての税目において更正の請求期限が、原則として法定申告期限から1年とされていましたが、更正の請求期限が延長され、所得税に関しては5年に延長されました。また、更正の請求に際して、更正の請求の理由の基礎となる「事実を証する書類」の添付が必要となることが明確化されました。今回の改正が適用されるのは、平成23年12月2日以降に法定申告期限が到来するものからとなるため、平成23年分所得税申告分からとなります。

また、更正の請求期限が5年に延長されたことに関連して、これまで実務で定着していた法定外の手続きにより非公式に課税庁に対して税額の減額変更を求める「嘆願書」提出の手続きに代わって、「更正の申出書」提出の手続きが整備されました。
具体的には、平成23年12月2日より前に法定申告期限が到来する年度に係る所得税で、更正の請求の期限を過ぎた課税期間について、過少申告又は過少納付税額を正しい税額に変更するものである増額更正ができる期間内(所得税は法定申告期限から3年)に新たに整備された「更正の申出書」を提出すれば、課税庁はしかるべき調査を実施し、過大に納付された税金があると認められた場合には、職権による減額更正を行うこととされています。「更正の申出書」の提出に際しては、「事実を証明する書類」もあわせて提出する必要があります。

ただし、「更正の申出書」を提出しても、最終的に納税者が申し出たとおりに減額更正を行ってくれるかどうかは課税庁の裁量に委ねられていることには何ら変わりはありません。また、納税者が申し出た通りに減額更正が行われない場合でも、不服申立をすることはできません。
ご質問のケースでは、平成23年分と平成22年分で取扱いが異なります。
まず、平成23年分に関しては、所得税の更正の請求期限内となりますので、事実を証明する書類を添付した更正の請求書を提出することにより手続きを行います。

一方、平成22年分に関しては、所得税の更正の請求期限を徒過した課税期間で、増額更正ができる期間であるため、更正の申出書を提出することにより手続きを行うこととなります。
いずれにしても、できる限り事実の経緯の説明を補足する資料を添付し、書類提出に際しては、課税庁の担当官へ補足説明を行うなどが必要となる場合もあります。

なお、更正の請求手続が期間的により広範に認められるようになったとはいえ、更正の請求はいかなる事由であっても認められるわけではありません。例えば上場株式等に係る配当所得について申告分離課税を選択していたものを総合課税に戻す等の租税特別措置の適用を選択した後に通常の規定に従って計算した方が税額が少なくて済むケースなどは更正の理由として認められないと考えられますので留意が必要となります。
実際に手続きを行う際は、最寄りの税務署又は税理士等の専門家にご相談されることをお勧めします。