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証券新聞『外貨建預金で外貨建投資信託を購入する際の留意点』

2012-03-23 (Fri) 10:41
Q.数年前に米国の金融機関に米ドル建て預金口座を開設し、50万ドル(当時のレートは1ドル=95円)を円建て預金から預け入れました。その後は口座に預けたままの状態になっていたのですが、寝かせておくのももったいないので、米ドル建て投資信託に組替えようと思っています。

単なる資産の組替えですので、確定申告で特に問題になることはないと思っていますが、何か気をつけるべきことがあれば教えてください。
20120323


A.数年前にドル建て預金に預け入れた時の為替レートと、投資信託を購入する際の為替レートの差分について、確定申告時に為替差損益(雑所得)として申告する必要があります。
また、平成24年税制改正案に、5千万円超の国外財産を保有する方に対し、その財産の内容等を記載した国外財産調書の提出を義務付ける案が盛り込まれました。不提出・虚偽記載については、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される見込みですので、法案の動向にも今後留意する必要があります。

(1)為替差損益
居住者が外貨建取引を行った場合には、当該外貨建取引を行った時の外国為替の売買相場により円換算し、各種所得の金額を計算します(所法57条の3(1))。ただし、預貯金の元本を、引き続き同一通貨で、同一の金融機関の預貯金に預け入れる場合は、外貨建取引には該当しないものとされています(所令167条の6(2))
 
ご質問の投資信託購入については、預貯金への預け入れではありませんから、上記条文のただし書き以降には該当せず、原則どおり投資信託購入時為替レートで換算し、預け入れ時の為替レートとの差額を為替差損益として認識するものと考えられます。
具体的には、投資信託購入時の為替レートを仮に1ドル=83円としますと、為替差損益の計算は、以下のとおりになります。

為替差損益 = 500,000ドル×(83円-95円)=6,000,000円(損)

この為替差損益は、雑所得に該当します。雑所得は、給与等と合算され総合課税の対象になりますが、為替差損益がマイナスの場合には、総合課税となる雑所得以外の他の所得との通算はできません。
 
(2)国外財産調書制度
「12月31日において合計額が5千万円超の国外財産を有する居住者は、翌年3月15日までに当該財産の種類、数量、価額等を記載した調書(国外財産調書)を税務署に提出しなければならない」とする改正が、平成24年税制改正案に盛り込まれました。
不提出・虚偽記載については、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される見込みとなっています。また、国外財産調書に記載のあるものに係る所得税や相続税が申告漏れ又は無申告であった場合には、通常の加算税(過少申告10%、15%。無申告15%、20%)から、5%控除され、逆に国外財産調書に記載のないものに係る所得税や相続税が申告漏れ又は無申告であった場合には、通常の加算税に、5%加算されることとされています。
法案が可決されれば、平成26年1月1日以後、国外財産調書の提出の要否を検討する必要があります。なお、罰則については平成27年1月1日以後提出分より適用されます。
 
ご質問のケースでは、為替相場の動向によってはあなたの国外財産が5千万円を超える可能性もありますので、改正案および為替の動向に留意する必要があります。

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