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証券新聞2/16号『配当課税について』

2012-02-16 (Thu) 09:09
Q.上場株式の配当金収入があります。所得税の確定申告にあたって、申告不要制度、総合課税、申告分離課税が選択できるそうですが、それぞれの内容と選択のポイントを教えてください。
0216証券新聞

A.上場株式等の配当等で一定の大口株主以外の個人株主が支払いを受けるものは、
確定申告しないことを選択することもできますし、申告する場合には総合課税または
申告分離課税を選択することができます。なお、大口株主は総合課税以外で申告できません。

(1)申告不要制度
 個人株主が支払いを受ける上場株式等の配当等については、金額の多少にかかわらず、
所得税及び住民税について申告不要とすることができます。よって、確定申告をせずに、
配当の支払いを受ける際の源泉徴収(所得税7%、住民税3%、以下税率は全て
平成23年分の所得にかかる税率とします)だけで、納税が完了することとなります。
 なお、申告不要とした配当所得については、その方の合計所得金額に含まれないことになりますので、
合計所得金額が基準となる扶養親族の判定についても、申告不要とした場合に一定のメリットがあると
考えられます。

(2)総合課税
 確定申告をする場合は、総合課税または申告分離課税を選択することができます。
(1)の申告不要としたものを除き、その全部を総合課税または申告分離課税のいずれか一方で
申告しなければならず、両者を配当ごとに使い分けるといった併用はできません。
 総合課税とは、給与所得や不動産所得といった他の総合所得とされるものと合算して
所得金額を算出して、累進税率を適用して所得税額を算出する方法です。
 配当所得について、総合課税を選択するメリットは、配当控除という税額控除の適用にあります。
配当控除とは、株式の配当金については、課税総所得金額が1000万円までは所得税については
配当金の10%、住民税については同2.8%を、課税総所得金額が1000万円を超える場合は
所得税については同5%、住民税については同1.4%を、税額から控除する制度です。
よって、課税総所得金額が195万円超330万円以下の所得税率10%が適用される方の場合であれば、
配当金にかかる税率は所得税0%(10%-10%)、住民税7.2%(10%-2.8%)の合計7.2%となり、
源泉所得税率(所得税7%、住民税3%、合計10%)と比較して、有利となります。
課税総所得金額が330万円を超える方については、これとは反対に源泉所得税率が有利となります。

(3)申告分離課税
 大口株主を除き、個人株主が受ける上場株式等の配当等については、確定申告において
申告分離課税を選択することができます。申告分離課税を選択した場合は、(2)の総合課税と異なり
配当控除はありません。しかし、その年またはその年の前3年以内に生じた上場株式等の
譲渡損失がある場合(過年度の損失については損失を繰り越す旨の確定申告が必要となります)は、
これらの損失の金額を上場株式等の配当所得の金額から控除することができます。
よって、上場株式等の譲渡損失がある場合は、申告分離課税を選択することにより配当所得を
減少させることができます。
 申告分離課税を選択した場合は、他の所得と区分して配当所得に対して
所得税率7%(住民税率3%)が課されます。その際に、上場株式等の譲渡損失がある場合には
配当所得から控除することとなります。

(4)申告方法選択のポイント
 申告方法選択のポイントは、次のとおりです。
(1)申告分離課税 上場株式等の譲渡損失がある方で配当所得を減少させることができる方
(2)総合課税 配当控除を適用することが有利になると考えられる課税総所得金額が330万円までの方
(3)申告不要制度 (1)、(2)以外の方

なお、配当金を特定口座(源泉徴収あり)に受け入れられて、既に譲渡損失と配当金が通算されている場合などもありますので、実際の申告の際には、証券会社、税理士等専門家にご相談頂くことをお勧めします。