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証券新聞1/19号『復興税制を加味した譲渡、配当所得課税』

2012-01-19 (Thu) 09:31
Q.平成23年11月30日に復興財源確保法が可決・成立され、所得税が増税されたという話をよく耳にしますが、証券税制において具体的にはどのような影響があるのか教えてください。
20120119

A.皆様ご存じのとおり、平成23年11月30日、平成23年度第3次補正関連法案である「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(以下、復興財源確保法)」と「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案(以下、税制改正法)」が参議院本会議で可決・成立しました。今後は、東日本大震災の復興財源としての臨時増税が実施されます。まずはこの法律の主要な論点をおさらいしましょう。

1.所得税、住民税に係る主な改正内容
(1)復興特別所得税
外国税額控除適用前の所得税の額に2.1%を乗じた金額が復興特別所得税として課税されます。
適用期間は平成25年から平成49年までの25年間となっています。
(2)均等割の標準税率
均等割の税率を年額1000円(道府県民税500円、市町村民税500円)引上げ、年額5000円となります。
適用期間は平成26年から平成35年までの10年間となっています。

2.法人税に係る主な改正内容
(1)法人税率の引き下げ
法人税率が一定割合引き下げられます。ただし、平成24年4月から平成27年3月までの間に開始する
事業年度は復興特別法人税が課されるため減税効果は低くなります。
(2)欠損金の繰越控除の見直し
 欠損金の控除限度額は、繰越控除前の所得の80%相当額となります(一定の中小法人等は除く)。
ただし、欠損金の繰越期間は7年から9年に延長されました。
(3)貸倒引当金制度の見直し
適用法人を銀行、保険会社その他これらに類する法人、及び中小法人等に限定し、それ以外の法人については経過措置を経て平成26年で終了となります。

3.証券税制に与える影響
では、復興財源確保法は具体的に証券税制にどのような影響を与えるのでしょうか。
前述のとおり所得税については復興特別税制として2.1%の増税となりますが、この増税は総合課税のみならず、源泉分離課税や申告分離課税についても影響を及ぼします。例えば、上場株式等だと平成24年度中は売却益や配当金等に対して所得税7%、住民税3%の税率にて課税されますが、復興特別税制を加味すると所得税7.147%、住民税3%の合わせて10.147%が課税されることとなります。なお、2.1%の増税とは、単純に所得税率に2.1%加算するのではなく、所得税率に2.1%を乗じた税率が加算されることになります。

 また、上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る10%軽減税率(所得税7%、住民税3%)は、平成25年12月末までとなっており、平成26年1月からは、本則税率である20%(所得税15%、住民税5%)が適用される予定です。この所得税率15%に対しても2.1%加算されますので、平成26年1月1日以降は所得税15.315%、住民税5%の合わせて20.315%が課税されます。まとめると次のようになります。
<株式等譲渡所得、配当所得に対する税率>


区分 ~H24.12.31 H25.1.1~H25.12.31 H26.1.1~H49.12.31
譲渡所得に対する税率 
上場株式 10% 10.147% 20.315%
非上場株式 20% 20.315%
配当所得に対する税率
上場株式等 10% 10.147% 20.315%
 なお、発行済み株式総数の3%以上を保有している大口株主が受け取る配当金、及び非上場株式等の配当金は源泉徴収のうえ、確定申告で総合課税となります
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