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証券新聞12/22号『税制改正大綱(個人編)について』

2011-12-22 (Thu) 10:29
Q.平成23年12月10日に、平成24年度税制改正大綱が発表されました。直前に、所得税・住民税・法人税の期限増税が織り込まれた「復興財源確保法」と、法人税率の引下げ、納税環境の整備を織り込んだ「平成23年度税制改正法」が施行される中で、平成24年度税制改正大綱は喫緊の対応を要する小振りな改正案にとどまっています。今回は個人の所得課税・資産課税に関する主要な改正点についてご紹介いたします。今後修正等が入る可能性がありますので、その点はご了承ください。
20111222

A.
1
.個人所得課税に関する主な改正内容

(1)給与所得控除の見直し
給与等の収入金額が1,500万円を超える場合の給与所得控除に245万円の上限が設けられます。こちらは昨年度の税制改正案にも盛り込まれましたが見送りとなったため、改めて今回の改正項目となりました。この改正は、平成25年分以後の所得税及び平成26年分以後の個人住民税について適用されます。

(2)退職所得の課税方法等の見直し
退職金の課税には優遇措置が設けられており、退職所得控除額を控除した額の2分の1について課税する方式となっていますが、勤続年数が5年以下の役員等が受ける退職手当等については、この2分の1課税の優遇措置が廃止されます。こちらも昨年度の税制改正案に盛り込まれましたが見送りとなったため、改めて今回の改正項目となりました。この改正は、平成25年1月1日以降に支払われる退職手当等について適用されます。

(3)認定省エネ住宅ローン控除制度の創設
住宅借入金等特別控除について、「低炭素まちづくり促進法」(仮称)に基づく認定を受けた新築住宅等を取得し、平成24年又は平成25年に居住の用に供した場合には次の所得税額控除を行います。

居住年 控除
期間
住宅借入金等の
年末残高の限度額
控除率
H24 10年間 4,000万円 1.0%
H25 10年間 3,000万円 1.0%
最大控除額まで所得税額が控除されない者については、所得税から控除しきれない金額を個人住民税から控除します(当該年分の課税総所得金額等の100分の5(最高9.75万円)を上限)。

(4)上場株式等に係る譲渡損失と配当所得との損益通算等の特例等の適用範囲の拡充
 上場株式等に係る譲渡損失と配当所得との損益通算及び繰越控除の特例等の適用範囲に、信託会社(信託業務を営む金融機関を含みます。)の国内にある営業所に信託された上場株式等の譲渡で、当該信託会社を通じて外国証券業者への売委託により行うもの又は外国証券業者に対して行うものを追加します。

(5)エンジェル税制の適用対象範囲の拡充
特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除等の特例及び特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除等の特例(株式譲渡益と相殺しきれなかった損失について3年間繰越ができる)の適用対象となる株式会社の範囲に、一定の要件を満たす「特定地域再生事業」(仮称)を行う株式会社を追加します。
 

2.相続税・贈与税に関する主な改正内容
(1)直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の延長
非課税限度額(現行1,000万円)を次の金額とし、適用期限を3年延長(平成26年まで)します。
  (イ)省エネ性・耐震性を備えた良質な住宅用家屋 (イ)以外の住宅用家屋
H24受贈者 1500 1000
H25受贈者 1200 700
H26受贈者 1000 500
東日本大震災被災者 1500 1000

(2)住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特例
適用期限を3年延長(平成26年まで)します。

(3)相続税の連帯納付義務についての見直し
相続税の連帯納付義務について、次の場合には連帯納付義務を解除します。
(1)申告期限等から5年を経過した場合(但し5年経過時点で連帯納付義務の履行を求めているものを除く)
(2)納税義務者が延納又は納税猶予の適用を受けた場合
この改正は、平成24年4月1日以降に申告期限等が到来する相続税及び平成24年4月1日に滞納となっている相続税について適用されます。

(4山林に係る相続税の納税猶予制度の創設
林業経営相続人が、認定森林経営計画が定められている区域内に存する山林(立木及び林地)について当該認定計画に従って施業を行ってきた被相続人からその山林を一括して取得し、当該認定計画に基づいて引き続き施業を継続していく場合には、その林業経営相続人が納付すべき相続税額のうち、その山林(一定のものに限る)に係る課税価格の80%に対応する相続税の納税を猶予します。
(注)「林業経営相続人」とは、被相続人の推定相続人であって、認定計画が定められている区域内に存する山林を一括して取得することにつき、農林水産大臣の確認を受けた後継者をいいます。