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11/17号 特定株式等を相続した場合(震災特例法と調整率)

2011-11-17 (Thu) 09:33
Q.私は、昨年秋に父より不動産賃貸業を営む未公開会社の株式を相続しましたが、今春の大震災で相続した未公開会社が保有している土地が被害を受けました。相続税は今夏に既に申告済で、納税も済ませております。
先日、東日本大震災に関連して国税庁から路線価の「調整率」が発表されたと聞きました。会社が保有している土地は「調整率」の適用の対象となる特定地域に該当しているようです。「調整率」とはどういったものでしょうか、ご教示ください。
20111117


A.
1.「調整率」とは
11月1日に、国税庁より東日本大震災に係る「調整率」が公表されました。
「調整率」は、震災特例法における相続税・贈与税関係の土地等の評価の特例です。相続税・贈与税の算定において、土地等の時価は相続・贈与の時の路線価を基準とすることとされています。しかし、震災特例法により、一定の土地等の相続・贈与については、相続・贈与の時の時価によらず、「震災の発生直後の価額」によることができることとされました。
本年7月1日に公表された路線価や、本年度の固定資産税評価額には東日本大震災による地価の下落は反映されていませんでした。国税庁は、震災の被害が特に大きかった指定地域、すなわち青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県・栃木県・千葉県の全域、並びに埼玉県・新潟県・長野県の一部で、被災地の実情に合わせて、震災特例法に基づき、地域ごとに地価を調整する「調整率」を決定しました。本年7月1日に公表の路線価や固定資産税評価額に調整率を乗じた金額が、「震災発生直後の価額」として相続税・贈与税の算定に採用することができます。

2.地域別の調整率
県別の宅地の調整率は、次のとおりとなっています。具体的な場所の調整率については、国税庁のホームページに掲載されている「調整率表」でご確認ください。


青森県 岩手県 宮城県 福島県 茨城県
0.70~1.00 0.30~1.00 0.20~0.95 0.30~0.90
(0)
0.60~1.00
栃木県 千葉県 埼玉県 新潟県 長野県
0.75~1.00 0.60~1.00 0.70~1.00 0.95 0.75~0.95
表中の「(0)」は、原発周辺土地等の評価を指します。原発事故に関する「警戒区域」「計画的避難区域」「緊急時避難準備区域」内にある特定土地等については、その価額を「0」として評価することとされました。
調整率が適用されるのは、平成7年の阪神大震災に続いて2回目ですが、阪神大震災の時の最小調整率は0.75でしたので、今般の調整率は当時を上回る調整幅となっています。

3.調整率の影響がある未公開会社の株式
指定地域内にあった動産等の価額が、資産総額の10分の3以上の未公開会社の株式(特定株式等)については、取得の時の時価によらず「震災の発生直後の価額」によることができます。10分の3以上であるかどうかの判定は、その株式を取得した時の相続税評価額で行います。適用される取得時期は次の通りです。
取得原因 取得時期
相続 平成22年5月11日から平成23年3月11日を含む法人の事業年度末
贈与 平成22年1月1日から平成23年3月11日を含む法人の事業年度末

4.既に申告書を提出済の場合
特定株式等を相続等または贈与により取得し、調整率を加味しない評価方法により算定した評価額ですでに申告書を提出している場合には、税務署に「更正の請求」を行うことにより、税の還付を受けることができます。
なお、ご自身が特定株式等を相続していない場合であっても、他の相続人が特定株式等を相続している場合には、相続税の総額が減少するため、特定株式等を相続した方はもちろん、それ以外の相続人の相続税も減少するものと思われます。
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