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証券新聞11/4号『名義預金の判定基準』

2011-11-04 (Fri) 10:54
Q.私は、孫が大きくなった時のために孫名義で預金をしています。聞くところによると、
万が一私の相続があった場合に、私の財産として課税されてしまうことがあるそうですが、本当でしょうか。
20111104


A.いわゆる「名義預金」の問題です。
 名義上はご本人のものではありませんが、実質的にご本人のもの(名義預金)とされ、相続の際に、その方の相続財産の一部とみなされ、相続税が課税される場合があります。単に名義だけお孫さんにしているのでは、お孫さんの財産と認められない、つまり贈与の成立が認めらない場合があるため、注意が必要です。
 では、名義預金とされる判断基準はどこにあるのでしょうか。一般的には、以下の5つのポイントがあります。

(1)贈与契約書の作成
贈与契約自体は口頭による場合でも成立するため、贈与契約書の作成は贈与とされるための絶対的な要件ではありません。
しかし、贈与の内容を明確に書面にしておくことで、贈与の意思(贈与する側においても、贈与される側においても)についてはっきりさせておくことができるため、贈与があったことを証明する書類として重要なものであると考えられます。なお、お孫様等で未成年者が受贈者である場合は、親権者が代理人として契約書に押印することも考えられます。

(2)通帳・印鑑等の管理
通帳やキャッシュカード、印鑑等を贈与者が管理していたり、受贈者がそういった口座の存在すら知らない場合は、実質的には贈与していないとみなされる可能性が高まります。贈与者と受贈者の銀行届出印が同一である場合などは問題があります。贈与しているのですから、受贈者が管理していることが認められる必要があります。

(3)受贈者が使用できるかどうか
贈与した場合、贈与された財産の使用は受贈者の自由になるものと一般には考えられます。口座にあるお金の使用が受贈者において自由に行うことのできる状況であればよいのですが、受贈者が使用できる状況になかったり、贈与者が口座への入出金を行っていたりする等、贈与者が使用していると認められる場合は、贈与されていないとみなされる可能性が高まります。

(4)受贈者が収益を受領しているかどうか
受贈者の資産から稼得した利益は、受贈者が受領するのは当然の行為です。例えば、定期預金の利息を贈与者が使っている場合には、名義預金と認定される可能性が高まります。

(5)贈与税の申告
贈与された財産について、受贈者は贈与税申告をする必要があります。現行税制においては、年間の贈与財産の合計額が110万円以下であれば贈与税が課せられず、従って贈与税を申告する必要はありません。しかし、110万円を超える価額の贈与を実施して贈与税を申告することにより、贈与の事実を証明する書類として申告書を残すことも考えられます。

 以上5つのポイントを総合的に勘案して、名義預金かどうか判断されることとなります。
 お孫さんのために残していたつもりの預金が、ご自身の財産の一部として相続税が課せられてしまうことは腑に落ちないかもしれません。以上のポイントをご留意頂き、名義預金と認定されないよう贈与することが肝要と言えます。