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証券新聞9/26号『大口株主と損益通算』

2011-09-26 (Mon) 13:13
20110926

Q.私はある上場企業の株主であり持株比率が4%です。平成23年税制改正により大口株主等の持株比率要件が改正になったと聞きました。その改正の概要、影響、適用の時期について教えてください。

A.上場株式等の配当所得は、原則として源泉徴収の上、「総合課税」の対象とされていますが、一定の大口株主等が受けるものを除き、平成21年1月1日以後平成25年12月31日までの間に支払を受けるべき上場株式等の配当等については、10%(所得税7%、地方税3%)の税率による「申告分離課税」を選択することができます。また、納税者の判断により10%(所得税7%、地方税3%)の源泉徴収で課税を完結させ、確定申告不要とすることができる確定申告不要制度がありますので、大口株主等でない方は、一般的には申告分離課税又は申告不要を選択していることと思います。
ここでいう「大口株主等」とは、その株式等の保有割合が発行済株式又は出資の総数又は総額の5%以上である株主等をいいますが、平成23年税制改正により、この割合が現行の5%以上から3%以上に引下げられることになりました。
この改正は、平成23年10月1日以後に支払を受けるべき配当等について適用されます。
ご質問者の場合、持株比率が4%ということですので、発行会社からの配当についてこれまでは申告分離課税又は申告不要を選択することにより10%の税率で課税されていました。しかし、平成23年10月1日以降に支払を受けるべき配当については、大口株主等に該当することとなるため、所得税・住民税合わせて15~50%の税率で総合課税の対象となります。なお、総合課税で確定申告する場合には、配当所得金額に一定の税率を乗じた金額を税額から控除する配当控除を適用することができます。
Q.現状では、上場株式等の配当等と上場株式等の譲渡損は損益通算が可能でした。今後、大口株主等として受け取った配当等についても上場株式等の譲渡損との損益通算は可能でしょうか。
また、未公開株式の譲渡損との損益通算は可能でしょうか。 

A.ご質問の様に、上場株式等の譲渡損が生じた場合、上場株式等の配当等との損益通算が可能です。ただし、申告不要や総合課税を選択した場合は損益通算できません。
なお、配当等について申告分離課税を選択する場合には、申告する配当等の全額について申告分離課税で申告する必要があります。
ご質問者の場合、大口株主として受け取った配当等は総合所得となるため、上場会社等の譲渡損との損益通算はできないこととなります。また、当然ながら未公開株式の譲渡損との損益通算もできません。
損益通算の可否についての関係を表に示すと以下のとおりとなります。
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このように大口株主等に該当すると課税負担が増加する可能性がありますので、ご質問者の様に保有割合が4%であれば株式を外部へ売却する、ご子息への贈与等、大口株主等に該当しないための対策を講ずることも考えられます。
具体的な検討にあたっては、税理士等の専門家にご相談ください。