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証券新聞7/22号『平成23年度税制改正成立(証券税制)』

2011-07-22 (Fri) 13:22
Q.平成23年度税制改正法案が可決されたそうですが、証券税制について改正内容をご教示下さい。

20110722



A.平成23年1月25日に国会に提出された平成23年度税制改正法案は、一部を早期に決着させるべく「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」として分離され、6月22日に国会で可決成立し、6月30日に公布・施行されました。

当初の法案を分割修正して、一部を今回可決し、もう一方は継続審議とされています。
ここでは、証券税制で今回改正となった主な事項についてご説明いたします。

1.金融証券税制に関する主な改正内容
(1)上場株式等の軽減税率の適用期限の延長
上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る10%軽減税率(所得税7%、住民税3%)については、景気回復に万全を期すため、適用期限が2年延長され、平成25年12月末までとされました。
平成26年1月からは、本則税率である20%(所得税15%、住民税5%)が適用される予定です。

(2)非課税口座(日本版ISA)の延期
非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得、譲渡所得の非課税(いわゆる日本版ISA)については、平成24年1月1日からの施行とされていましたが、上場株式等の軽減税率の適用期限の2年延長に伴い、あわせて2年延長されることとなり、平成26年1月1日からの施行予定とされます。

(3)先物取引に係る雑所得等の課税の特例及び損失繰越控除の適用対象の拡大
FX取引(外国為替証拠金取引)などの先物取引に係る雑所得の課税方法は、店頭FX取引などの店頭デリバティブ取引等については総合課税(最高税率50%)である一方、「くりっく365」などの市場デリバティブ取引等については20%申告分離課税の特例が設けられており、課税方法が異なっています。

また、店頭デリバティブ取引については損失繰越が認められない一方で、市場デリバティブ取引については
3年間の損失繰越控除の特例が認められています。金融商品間の課税の中立性を高める観点から、20%申告分離課税の特例及び3年間損失繰越控除の特例の適用対象が店頭デリバティブ取引等にも拡大されました。これらの改正は、平成24年1月1日以後の取引について適用されます。

(4)大口株主等の要件の見直し
上場株式等からの配当所得について総合課税の対象となる大口株主等の持株比率要件が、現行の5%以上から3%以上に引下げられます。このため、上場株式等の持株割合が3%以上5%未満の個人株主においては、現行では配当所得について10%の軽減税率が適用されていますが、改正後は総合課税(配当控除考慮前最高税率50%)が適用されることとなります。この改正は、平成23年10月1日以降に支払いを受ける配当等について適用されます。

2.先送りとなった改正案
 結果的に主な証券税制についての改正は、おおよそ当初の改正案どおりに今回成立したこととなりました。一方、継続審議となったものとしては、給与所得控除の上限設定、法人税率の引き下げ、相続税・贈与税率の税率構造の見直し、相続税の基礎控除の引き下げ、直系尊属からの贈与税緩和、相続時精算課税の適用要件の拡大などがあります。これらについては、現在改正されるか否か不明です。今後の動きが注目されるところです。
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