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証券新聞6/16号『日本版ISAについて』

2011-06-16 (Thu) 10:07
Q.趣味で少額の株式投資をしています。平成23年度税制改正案では、
上場株式等の10%の軽減税率が2年間延長され平成25年度末までとなっていましたが、
延長されるのか不安です。一方で、新たな証券優遇税制として「日本版ISA」という制度があると
聞きました。この「日本版ISA」とはどのようなものなのか教えてください。
20110616


A.日本版ISAとは、一定の上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等について非課税とする制度であり、
英国のIndividual Savings Account(個人貯蓄口座)を参考にした制度であるため
「日本版ISA」と呼ばれています。上場株式等の軽減税率の廃止にあわせて導入される予定です。
 
1.制度の概要
平成22年度税制改正により、金融所得課税の一体化の取組の中で個人の株式市場への参加を促進する観点から、日本版ISAの制度が導入されることになりました。この制度は、金融商品取引業者にて非課税口座を開設し、その口座内の上場株式の配当及び譲渡を非課税とする制度であり、その概要は以下のとおりとなっています。
制度の概要
1 非課税対象 上場株式等の配当、譲渡益
2 非課税投資
 
毎年、新規投資額で100万円を上限(未
用枠は翌年以降繰越不可)
3 非課税投資総額 最大300万円(100万円×3年間)
4 保有期間 最長10年間
5 途中売却 自由(ただし、売却部分の枠は再利用不可)
6 口座開設数 年間1人1口座(毎年異なる金融機関に口座開設可) 
7 開設者 居住者等
8 年齢制限 口座開設の年の1月1日時点で満20歳以上
 

20110616図






2.非課税となる配当所得、譲渡所得
非課税の対象となる配当等の範囲は以下のとおりとなっています。
(1)金融商品取引所に上場されている株式等その他一定の株式等の配当等(ただし大口個人株主は除く)
(2)公募株式投資信託(特定株式投資信託を除く)の収益の分配に係る配当等
(3)特定投資法人の投資口の配当等
ただし、非課税口座内からの配当等であっても、金融商品取引業者を経由しないで受け取る配当
(例えば発行会社から直接受け取るなど)は、非課税の対象とはならないため注意が必要です。

また、金融商品取引業者等を通じて非課税口座内の上場株式を譲渡した場合、その譲渡による事業所得、
譲渡所得及び雑所得については、非課税となります。一方で、仮に非課税口座内の上場株式の譲渡により
譲渡損失が生じた場合、その損失はないものとみなされ、他の所得と損益通算することはできません。

さらに、非課税口座から他の口座へ移管した場合は「みなし譲渡」として、移管した時の時価により
譲渡があったものとみなされます。この場合も、譲渡益については非課税の取扱いとはなりますが、
非課税口座の枠の再利用はできなくなり、また取得価額が移管時の時価となるので注意が必要です。
 
3.適用時期
当初は、平成24年1月1日から実施される予定でしたが、平成23年度税制改正案において
上場株式等に係る10%の軽減税率の適用期限が2年延長されたことに伴い、こちらの適用も2年延長され
平成26年1月1日からの実施予定となっています。ただし、現時点において平成23年度税制改正法案は
成立していませんので、当初の予定であった平成24年1月1日から適用の可能性もあります。
そのため、今後の動向に注意が必要となりますのでお取引のある証券会社や税理士等専門家に
ご相談されることをお勧めします。