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証券新聞『震災前に相続等により株式等を取得した場合の特例』

2011-05-19 (Thu) 09:14
Q.私の親戚が昨年亡くなりました。その親戚(以下「被相続人」)はA社(非上場会社)株式を所有しており、その株式の一部を私も相続しました。私自身は先般の東日本大震災による直接の被害は幸いにもありませんでしたが、A社は被災地に不動産を保有しており、震災により経営上も大きく影響を受けています。なお、私はA社株式を現在も所有しています。相続税申告にあたっては震災前である相続時での評価を行うことになると思っていましたが、震災前に相続により取得した株式でも一定の場合には評価額の計算について特例があることと、その場合に申告期限の延長があることを聞いたのでまだ申告はしていません。どのような特例か教えてください。
20110519


A.
1. 相続税課税価格計算の特例 
平成23年4月27日に、「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律」(以下、「震災特例法」といいます。)が施行されました。この震災特例法は、当該震災の被災者等の負担の軽減等を図ることを目的としており、各種の税制上の措置を講じており、ご質問のようなケースについても軽減措置が講じられています。本来は相続により取得した財産は、その相続開始時の時価を基に相続税を計算しますが、
震災前に相続により取得した非上場会社の株式の評価について、一定の場合にはその相続時の時価によらず、震災後を基準とした価額によることができます。
 この特例計算の対象となる株式等は、平成22年5月11日から平成23年3月10日までの間に相続等により取得し(平成23年3月11日において所有していたものに限ります。)、次の算式を満たす会社の株式等(上場株式等を除きます。)です。

<算式>

   指定地域内(※1)に保有
   する動産(※2)、不動産、
  不動産の上に存する権利及び立木   ≧    30%
        保有資産

(※1)指定地域とは、東日本大震災により相当な被害を受けた地域として財務大臣が指定した地域であり、
青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県及び千葉県の全域、並びに、新潟県十日町市、
新潟県中魚沼郡津南町及び長野県下水内郡栄村が該当します。
(※2)金銭及び有価証券を除きます。

 震災により指定地域内の不動産や動産の価額が下落していると想定されることにより、
そのような資産(平成23年3月11日において、会社が保有しているものに限ります。)を30%以上保有している
会社の株式等(特定株式等)について、震災後を基準とした価額による評価を認めています。
なお、30%以上であるかどうかの判定はその株式等を相続した時の相続税評価額により行います。
したがって、当該特例の適用対象となるかを判定する際の評価額と、特例計算による評価額は異なることとなりますのでご留意いただければと思います。
 当該特例計算は、相続税の申告期限が平成23年3月11日以後に到来する者が対象となりますので、
当該震災以後に既に申告している場合であっても更正の請求により対応することができます。
また、平成22年1月1日から平成23年3月10日までの間に贈与により取得した特定株式等(平成23年3月11日において所有していたものに限ります。)の評価額についても震災後を基準とした価額とする同様の取扱いがあります。なお、相続税・贈与税とも、上場株式等は当該特例計算の対象とならないのでご留意ください。
震災後を基準とした価額の具体的な計算方法等は、国税庁のホームページ等で公表される予定です。

2.申告期限延長の特例
 相続人等の中に、上記1.「相続税課税価格計算の特例」の適用を受けることができる者がいる場合には、
原則として申告期限が次のとおり延長されます。
(1)被相続人の住所地が青森県、岩手県、宮城県、福島県又は茨城県の場合
次の(1)(2)のいずれか遅い日
(1)平成24年1月11日
(2)国税通則法施行令における地域指定による延長後の申告期限
(2)上記(1)以外の場合
平成24年1月11日
相続人等のうちに当該特例の適用を受けることができる者がいる場合には、相続人等の全員の申告期限が延長となるので、特定株式等を取得した質問者はもとより、特定株式等を取得していない相続人等も同様に申告期限が延長されることになります。
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