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証券新聞4/7『FX取引で損失が出た場合の取扱い』

2011-04-07 (Thu) 10:34
Q.FX取引で損失が出た場合の、所得税の取扱いを教えて下さい。
20110407


 A.外国為替証拠金取引(いわゆるFX取引)とは、一定の証拠金を担保として、その何倍もの金額の外貨を取引するデリバティブ取引をいいます。FX取引には、「店頭取引」と「取引所取引」の2種類の取引方法がありますが、取引方法により税率や、損益を通算(相殺)できる所得も異なりますので、注意が必要です。

1.店頭取引の場合

店頭取引の所得区分は、雑所得として総合課税となります。雑所得とは、不動産所得や事業所得、給与所得、譲渡所得などのいずれにも該当しない所得をいいます。

具体的には、公的年金等、公社債の償還差益又は発行差益、生命保険年金、著述業等以外の原稿料・講演料、非営業の貸付金の利子などが該当します。課税方式は総合課税となり、事業所得や給与所得等の他の総合課税の所得を合算し、所得金額に応じて5%~40%の超過累進税率により所得税が計算されます(住民税は一律10%)。
店頭取引FXで損失が出た場合は、他の店頭取引FXや他の雑所得と損益を通算することが出来ます。
しかし、次に説明する取引所取引FXなどが該当する「先物取引に係る雑所得等」とは通算することはできません。
また、雑所得全体で損失となった場合は、そこで損失は打ち切られ、他の総合課税の所得金額とは通算することはできず、損失の繰り越しもできません。

2.取引所取引の場合

取引所取引(いわゆる「くりっく365」や「大証FX」)の所得区分は、先物取引に係る雑所得等となり、
前述の店頭取引とは違い、申告分離課税となります。
先物取引に係る雑所得に該当するものは、商品先物、日経225等の取引所先物取引や上場カバードワラントなどです。分離課税となるため、これら先物取引に係る雑所得に該当する所得を合算した金額に、一律15%の税率により所得税が計算されます(住民税は5%)。取引所取引FXで損失が出た場合は、他の先物取引に係る雑所得とは損益を通算することができますが、他の雑所得や総合課税される所得等とは通算することはできません。

また、先物取引に係る雑所得全体で損失が生じた場合は、一定の要件のもと、その損失が生じた年の翌年以降3年間にわたって繰り越して、順次、その翌年以降の先物取引に係る雑所得等の金額から控除することができます。
なお、損失を繰り越す場合は、確定申告書に一定の書類を添付して申告する必要があります。

以上をまとめると次のようになります。

取引方法 店頭取引 取引所取引
所得区分 雑所得 先物取引に係る雑所得等
課税方式 総合課税 分離課税
税率 合計所得金額に応じて、
10%~40%の超過累進課税
(ほか住民税は一律10%)
一律15%(ほか住民税5%)
損失の通算(相殺) 店頭取引による先物取引及び
他の雑所得と通算可能
先物取引に係る雑所得等と
通算可能
損失の繰越控除 できない 3年間繰り越すことが可能
 

3.おわりに

昨年公表された平成23年度の税制改正大綱において、店頭取引によるFXについても、取引所取引と同様に先物取引に係る雑所得等として、損失の繰越控除の対象とされることとなっています。
現時点で改正法案は国会を通過していませんが、法制化された場合、来年度(平成24年1月1日以降の取引)より、店頭取引も取引所取引と取り扱いは同様となる見込みです。

なお、実際に損益の通算をご検討される際は、通算することができる所得かどうか、お取引のある証券会社や税理士等専門家にご相談されることをお勧めします。