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証券新聞3/3『国内投資信託の税務上の取扱い』

2011-03-03 (Thu) 09:55
Q.私の父は晩年、趣味でさまざまな証券投資をしていました。そんな父が昨年亡くなり複数種類の投資信託を相続により取得しました。しかし、私は今まで投資信託を購入したことがなく仕組がよく分かりません。知り合いの話によると、投資信託の種類により税務上の取扱いが変わるとのことですが、よく解らず不安になっています。
そこで、投資信託の種類と、それぞれの税務上の取扱いを教えてください。 
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A.ご質問のとおり、投資信託は運用対象や募集方法により多様な種類があり、それぞれ税務上の取扱いが異なるため注意が必要です。投資信託の説明資料をご用意いただき、一緒に確認していきましょう。

 まず、投資信託は大きく分けて契約型と会社型の2種類があります。会社型とは、文字通り資産運用のため投資法人を設立しその投資証券に投資します。一般的には契約型の投資信託が大部分を占めていますので、今回は契約型の投資信託についてご説明します。

 契約型の投資信託は、投資する対象が公社債か公社債以外の証券かにより「公社債投資信託」と「株式投資信託」に分類されます。
さらに、募集する人数が2人から49人以下の少人数である「私募投資信託」とそれ以外の「公募投資信託」に分類されます。
なお、募集期間が限定されていて、資金の途中追加はできない投資信託を単位型といい、いつでも購入できるものを追加型の投資信託といいます。

 では、契約型の投資信託の税務上の取扱いですが、公社債投資信託の場合は収益分配金の受取時、解約・償還時に20%の源泉徴収が発生します。これらは利子所得としての取り扱いとなり、源泉徴収のみで課税関係が終了します。また、証券会社への譲渡(買取請求)をした場合には、非課税として取り扱われますが、これは、売却価額に既に税金が考慮されているためであり、税金を考慮した手取り額は、解約の場合と同様です。

 次に、公募株式投資信託の税務上の取扱いですが、収益分配金の受取時に10%が配当所得として源泉徴収(確定申告選択可)され、解約・償還時や、証券会社への譲渡(買取請求)による場合には上場株式等の譲渡と同様に10%の申告分離課税となります。また、上場株式等の譲渡損失がある場合、公募株式投資信託の分配金について申告分離課税を選択することにより当該譲渡損失と損益通算することも可能です。

なお、追加型の投資信託の場合には、通常の収益分配金の他に、特別分配金というものがあります。これは、運用による利益ではなく、元本の払い戻しに相当する金額であることから、通常の分配金とは異なり非課税として取り扱われます。

また、私募株式投資信託ですが、収益分配金の受取時、解約・償還時に20%が配当所得として源泉徴収された上で、原則として確定申告が必要となり、証券会社への譲渡(買取請求)の場合は、20%の申告分離課税となっています。なお、解約・償還時において、取得価額と個別元本相当額との差額部分がある場合には譲渡とみなされますので、利益が生じていれば申告分離課税の対象となり20%の税率で課税されます。
 最後に、一般的な投資信託の税務上の取り扱いを表にまとめましたのでご参考下さい。


契約型投資信託にかかる税務上の取り扱い
  分配金*1 解約・償還益 譲渡益
公社債投資信託 利子所得/源泉分離課税(20%) 非課税*2
公募株式投資信託*3 配当所得(10%)*4,5 譲渡所得/申告分離課税(10%)*4
私募株式投資信託 配当所得(20%)*5 配当所得(20%)*5,6 譲渡所得/申告分離課税(20%)
 
*1 追加型の投資信託については特別分配金を除きます。
*2  譲渡益の20%相当が控除されます。
*3 ETFを含みます。
*4 平成24年1月以降(税制改正で平成26年1月以降に延長の見込み)については税率が20%となります。
*5 確定申告を行う場合には配当控除の適用が可能です。
*6 譲渡とみなされる部分については配当所得部分と別に申告分離課税(20%)となります。
 
 投資信託には、先に触れた会社型のものや、不動産投資信託(REIT)等、他にもさまざまな種類のものがあり、それぞれ税務上の取扱いも異なります。判断に迷う商品をお持ちの場合には、証券会社や税理士にご相談ください。