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証券新聞1/20『平成23年度税制改正大綱(資産課税)』

2011-01-20 (Thu) 14:09
Q.平成22年12月16日に、平成23年度税制改正大綱が発表されました。今回はその中で資産課税(相続税・贈与税・固定資産税等)に関する主要な改正点について、ご紹介いたします。なお、今後修正等が入る可能性がありますので、その点はご了承ください。
20110120

A.
1.相続税・贈与税に関する主な改正内容
(1)相続税の課税ベースの見直し
相続税における定額控除が、現行の5,000万円から3,000万円に引き下げられることとなりました。また、法定相続人比例控除も、現行の1,000万円×法定相続人数から、600万円×法定相続人数に引き下げられました。さらに、死亡保険金にかかる非課税限度額が、現行の500万円×法定相続人数から、500万円×法定相続人数(未成年者、障害者又は相続開始直前に被相続人と生計を一にしていな者に限る)に見直されました。これらの改正は、平成23年4月1日以後の相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用されます。

(2)相続税の税率構造の見直し
 相続税の税率構造が、現行の10~50%の6区分から10~55%の8区分に見直されました。
  現行 改正案
1,000万円以下の金額 10% 10%
3,000万円  〃 15% 15%
5,000万円  〃 20% 20%
1億円     〃 30% 30%
2億円     〃 40% 40%
3億円     〃 45%
6億円     〃 50% 50%
6億円超の金額 55%
  この改正は、平成23年4月1日以後の相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用されます。

(3)相続時精算課税制度の対象とならない贈与財産に係る贈与税の税率構造の見直し
贈与税の税率構造が、現行の10~50%の6区分から、(1)20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産に係るものと、(2)(1)以外の贈与財産に係るものとに分けられ、それぞれ10~55%の8区分に見直されました。
   現行  改正案
(1) (2)
200万円以下の金額 10% 10% 10%
300万円   〃 15% 15% 15%
400万円   〃 20% 20%
600万円   〃 30% 20% 30%
1,000万円  〃 40% 30% 40%
1,500万円  〃 50% 40% 45%
3,000万円  〃 45% 50%
4,500万円  〃 50% 55%
4,500万円超の金額  55%
この改正は、平成23年1月1日以後の贈与により取得する財産に係る贈与税について適用されます。

(4)相続時精算課税制度の適用範囲の拡大
相続時精算課税制度の受贈者の範囲に、20歳以上である孫(現行は推定相続人のみ)が追加されました。また、贈与者の年齢要件が60歳以上(現行は65歳以上)に引き下げられました。これらの改正は、平成23年1月1日以後の贈与により取得する財産に係る贈与税について適用されます。

(5)相続税・贈与税の納税猶予制度における特別関係会社の範囲の見直し
 風俗営業会社等に該当してはならないこととされる特別関係会社の範囲が、特別関係会社のうち次に掲げる者によりその株式等を直接又は間接に保有される会社に限定されました。
  1. 認定会社
  2. 認定会社の代表権を有する者
  3. 認定会社の代表権を有する者と生計を一にする親族
  4. 認定会社の代表権を有する者と特別の関係がある者
 
2.その他の資産課税に関する主な改正内容
(1)住宅取得等に関する登録免許税の軽減措置の延長
住宅用家屋の所有権の保存登記若しくは移転登記又は住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記に対する登録免許税の税率の軽減措置について、適用期限が2年間(平成25年3月31日まで)延長されました。
登記の種類 対象住宅 税率
本則 特例
住宅用家屋の所有権の保存登記の税率の軽減 ・個人の住宅の用に供される床面積50m2以上の家屋 0.40% 0.15%
住宅用家屋の所有権の移転登記(売買・競落に限る)の税率の軽減 ・個人の住宅の用に供される床面積50m2以上の家屋
・中古住宅の場合は、築後25年以内(木造は20年以内)のもの又は一定の耐震基準に適合するもの
2.00% 0.30%
0.40%  0.10%

(2)不動産譲渡契約書等に係る印紙税の軽減措置の延長
不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の税率の軽減措置について、適用期限が2年間(平成25年3月31日まで)延長されました。
契約金額 本則税率 軽減税率
1千万円を超え
5千万円以下のもの
2万円 1万5千円
5千万円を超え
1億円以下のもの
6万円 4万5千円
1億円を超え
5億円以下のもの
10万円 8万円
5億円を超え
10億円以下のもの
20万円 18万円
10億円を超え
50億円以下のもの
40万円 36万円
50億円を超えるもの 60万円 54万円

総括いたしますと、相続税は増税の運びとなりそうですが、生前贈与については賢くご利用いただければ税負担が軽減されそうです。本改正により、個人資産の次世代への移転が促進され、当該資産が有効活用されることで、日本経済の振興に寄与してくれればと願っております。
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