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証券新聞12/2 外国株式投資信託の個人所得税における取扱い

2010-12-02 (Thu) 10:09
Q.昨今の円高の流れを受けて、海外への投資も検討しています。外国の株式投資信託についての課税関係を教えてください。
20101202
A.外国株式投資信託とは、外国籍の証券投資信託を指し、そのうち一般に広く公募販売されたものを外国公募株式投資信託、それ以外を外国私募株式投資信託といいます。これらに係る課税関係について、(1)期中分配、(2)償還、(3)譲渡の3つの点から説明いたします。
なお、投資信託は「契約型」と「会社型」とに分類されますが、このうち「契約型」について記載しています。
 
 
外国公募株式投資信託 外国私募株式投資信託
(1)期中分配時 国内における金融商品取引業者等を通じて支払いを受けるものについては、上場株式等の配当金と同様に、源泉徴収(平成16年1月1日から平成23年12月31日までの間は10%(所得税7%、住民税3%)、平成24年1月1日以後は20%(所得税15%、住民税5%))された上で、原則として総合課税の配当所得となります。
総合課税の他に、申告分離課税(税率は同上)を選択することができ、申告不要を選択することもできます。
申告分離課税を選択した場合には、他の上場株式等の譲渡損失と通算することができます。
また、国内の投資信託とは異なり配当控除の適用はありませんが、総合課税又は申告分離課税においては外国税額控除を受けられる場合があります。
外国税額控除は確定申告が要件になっており、後から修正して控除することができませんのでご注意ください。
国内における金融商品取引業者等を通じて支払いを受けるものについては、受領時に20%(所得税15%、住民税5%)源泉徴収され、総合課税の配当所得となります。
軽減税率の適用がない点や、申告分離制度の選択ができない点などが、外国公募株式投資信託と異なっています。
申告不要制度も、国内における金融商品取引業者等を通じて支払いを受けるものであって、1回に支払いを受ける金額が10万円に配当計算期間の月数を乗じて12で割った額が10万円以下の場合に限られ、申告不要を選択する場合であっても住民税は確定申告しなければなりません。
一方、配当控除や外国税額控除については外国公募株式投資信託と同様の取扱いとなっています。
(2)償還時 償還金額の全額が上場株式等に係る譲渡所得の収入金額となるため、取得価額との差額は譲渡所得となり、申告分離課税となります(税率は期中分配時と同様)。
株式等の譲渡所得となりますので、上場株式等からの配当所得や他の株式譲渡損益がある場合には損益通算することができます。
損益通算後になお損失が生じている場合には、確定申告により翌年度以降3年間繰り越すことができます。
外国私募株式投資信託の償還時の取扱いはやや複雑です。
・償還金額>個別元本のとき
償還金額-個別元本:配当所得
個別元本-取得価額:譲渡損益
 
・償還金額≦個別元本のとき
配当所得なし
償還金額-取得価額:譲渡損益
となります。
配当所得については、上記(1)期中分配金と同様の取扱いです。
譲渡損益については、繰越は出来ませんが、他の株式譲渡損益との損益通算が可能であり、20%(所得税15%、住民税5%)の申告分離課税となります。
(3)買取請求又は譲渡 償還時と同様の取扱いです。 上記(2)償還時の譲渡損益と同様、繰越は出来ませんが、他の株式譲渡損益との損益通算が可能であり、20%(所得税15%、住民税5%)の申告分離課税となります。
 
保有している投資信託が換金される場合には、償還や譲渡によることとなりますが、上記の通り、外国私募株式投資信託の場合には償還によるか譲渡によるかで所得区分や税率が変わってきますので注意が必要です。
また、円換算額の算定に使用する為替レートは以下の通りです。
  • 取得価額・・・取得日(約定日)のTTS
  • 期中分配額及び償還額・・・支払開始日と定められている日のTTB
  • 譲渡価額・・・譲渡日(約定日)のTTB
なお、取得、分配、譲渡などが外貨で行われていたとしても、それぞれの時点での為替レートを用いることで為替による増減も含めて所得を計算することになりますので、別途為替差損益を所得計算において考慮する必要はありません。
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