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証券新聞11/18『株式数比例配分方式の適用要件について』

2010-11-18 (Thu) 10:39
Q.私は特定口座(源泉徴収選択口座)にて、国内上場株式等を運用しています。平成22年度より上場株式等に係る譲渡損失と配当等との損益通算が確定申告をせずにできるようになると聞いて証券会社にお願いしたのですが、「お客様の場合、上場株式等の配当金については確定申告しないと損益通算することはできない」と言われました。どうすればよいのでしょうか。 
20101118

A.ご自身がお持ちの特定口座を開設している証券会社に「株式数比例配分方式」の取扱いがあるか、
又は「特別口座」が残っていないかを確認してみてください。もし当てはまる節があれば、この機会に検討してみてはいかがですか?
平成22年1月より、特定口座(源泉徴収選択口座)内において、上場株式等の譲渡損失と上場株式等の配当等との損益通算が可能となり、確定申告が不要となりました。公募株式投資信託の収益分配金(税法上元本の払戻とされる特別分配金は除きます)などは特定口座をお持ちであるならば、特定口座内で自動的に損益通算されますが、国内上場株式等の配当金については、配当金の受取方法について「株式数比例配分方式」の申し込み等が必要となります。

1.株式数比例配分方式とは
株式数比例配分方式とは、取引口座のある証券会社に届け出ることにより、証券会社の株式の口座残高(配当基準日現在の残高)に応じた配当金を、各証券会社の取引口座において受け取ることができる方法です。
ただし、信託銀行等で管理されている株式がある場合や、株式数比例配分方式の取扱いがない証券会社で保有している株式がある場合には選択ができません。ご質問から推測すると、この点で問題があったのではないかと考えられます。

2.特別口座の概要
信託銀行等で管理されている株式とは、信託銀行等に開設されている「特別口座」で管理されている株式のことをいいます。「特別口座」とは、平成21年1月5日の株券の電子化まで証券保管振替機構に預託せずに、いわゆるタンス株として持ち続けた場合、株主としての権利を保全することを目的に、株式の発行会社によって信託銀行などに開設される口座のことです。また、「特別口座」は株券電子化が実施される時点で、株式の発行会社の株主名簿に記載されている名義で開設されることとなります。したがって、複数銘柄を保有する株主の場合、株式の発行会社が異なるために特別口座が複数の信託銀行に開設されてしまい、管理が煩雑になる可能性もあります。さらに、原則として「特別口座」のままでは株式を売却することも担保を設定することもできません。「特定口座」と「特別口座」は、名前は似ていますが役割が全く異なってきます。

3.株式数比例配分方式の申込と留意点
「特別口座」をお持ちの方が、株式数比例配分方式を選択するためには、「特別口座」から証券会社の口座への振替手続をするなどにより、「特別口座」を抹消していただく必要があります。一つでも「特別口座」がある場合には、上述のように株式数比例配分方式は選択できませんので、多くの「特別口座」をお持ちの方は早めの対応が無難かと思われます。ここで留意する点は、振替先の証券会社口座は一般口座となってしまうことです。そして、平成21年5月31日をもって一般口座から特定口座への振替は終了したため、今後特定口座に振替えることはできません。
また、株式数比例配分方式の取扱いがない証券会社へ株式を預けている方は、取扱いのある証券会社へ株式を振り替えることで、株式数比例配分方式を選択することができます。
この株式数比例配分方式は、株式の銘柄ごとや証券会社ごとに受け取り方法を選択することはできず、一つの証券会社でこの方式を申し込むと、原則として他の証券会社でも同方式が適用されてしまうため留意が必要です。
さらに申込時期については、株式数比例配分方式は上述のように配当基準日残高で配当金を振り分けるため、
配当等の権利確定日まで(システム対応が必要なため各証券会社により多少異なります)に申し込む必要があります。12月決算会社では権利確定日は通常12月下旬ですので早めの対応がよろしいのではないでしょうか。

4.確定申告をした方が有利な場合も
これまでは確定申告をしない方法をご説明してきましたが、実は確定申告をした方が有利な場合もあります。それは特定口座を複数お持ちの方で、ある特定口座では譲渡損失が出ているが、別の特定口座では配当金がたくさん入金されている場合などです。特定口座(源泉徴収選択口座)は、その口座内でしか損益通算ができないため、
複数の特定口座間で上場株式等の譲渡損失と配当等を損益通算するためには確定申告が必要です。
ただ、確定申告を選択する場合においては、配当所得が合計所得金額に含まれることになりますので、配偶者控除等に影響を及ぼす場合があります。その結果、家計全体でのトータルの税負担が増えてしまう可能性もあるため注意が必要です。
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