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証券新聞11/5『株式保有特定会社の評価及び対策について』

2010-11-05 (Fri) 14:30
Q.私の父は、小売業を営む非上場会社A社を所有・経営しております。A社は自社で事業を営むと同時に、
子会社を3社保有しております。
そこで気になるのが、後継者である私が株式を引き継ぐ際の相続税のことです。
最近出席した相続セミナーで株式を保有する割合が高い非上場株式会社では
相続税・贈与税の評価方法において特別な方法が定められていると聞きました。
これはどのような方法になるのでしょうか。また、その場合の対策について教えてください。
20101105


A.
1.株式保有特定会社について
相続セミナーでお聞きになったのは、株式保有特定会社のことと思われます。会社の資産構成が著しく株式等に偏っている会社は、その保有する株式等の価値に依存する割合が高いと考えられ、一般の評価会社に
適用される類似業種比準方式を適用して適正な株価の算定を行うことは難しいと考えらます。
そのため、各資産を相続税評価額ベースで評価した結果その合計額に占める株式及び出資の価額の合計額が一定割合以上であれば株式保有特定会社とし、一般の会社とは区別します。
一定割合とは財産評価基本通達上の大会社の場合は25%、中会社及び小会社の場合は50%です。
財産評価基本通達上どの規模の会社に分類されるかは、業種、従業員数、総資産価額、および直前期末以前1年間における取引金額で決定します。
A社が株式保有特定会社に該当する場合には、次の方法により評価することになります。
 
2.株式保有特定会社の場合の評価方法
株式保有特定会社で同族株主が株式を取得する場合、開業後3年未満や休業中などの特殊な要因がない限りは、(1)純資産価額方式での評価、(2)いわゆる「S1+S2」方式での評価の2通りの評価方法のどちらかで評価します。
純資産価額方式とは、会社が保有する各資産、負債を財産評価基本通達に基づき課税時期における評価額により評価する方法です。
 「S1+S2」方式とは、株式保有特定会社の資産のうち株式等以外の資産をS1、株式等の資産をS2に分けて評価する方法です。
S1の部分は、株式保有特定会社が有する株式等と当該株式等に係る受取配当収入がなかったとした
場合の株式の原則的評価方法による評価額により算定します。すなわち、当該会社が有する資産のうち株式等以外の部分については、株式保有特定会社ではない普通の非上場会社の場合と同様の評価が
なされることになります。
S2の部分は、先ほどの純資産価額方式による算定となります。
一般的に、通常の大会社の評価方法である類似業種比準方式より株式保有特定会社の上記2つの評価方法が高く評価されます。
そのため、株式保有特定会社に該当するとその株式の評価が高くなり、相続税が高額になる可能性があるものと考えられます。
 
3.株式保有特定会社にならないためには
株式保有特定会社に該当しないためには、一般的には株式等の保有比率を引き下げる方策が考えられます。つまり、株式等以外の資産を保有して総資産を増やすことや株式等をそれ以外の資産に組み替えることが考えられます。また、本ケースのような子会社株式の場合には、例えば具体的には下記のような対策案が考えられます。

  • 子会社との合併
  • 子会社の事業を譲り受ける
  • 子会社株式を当該子会社に取得させる
  • 子会社から配当を受ける
また、純粋持株会社を設立し各子会社株式を持つのみで、事業は子会社が行うように組織変更することも
効果があるものと考えられます。
なお、評価会社が株式保有特定会社に該当する会社であるか否かを判定する場合において、
課税時期前において合理的な理由もなく評価会社の資産構成に変動がありその変動が株式保有特定会社
に該当する会社であると判定されることを免れるためのものと認められる場合には、その変動はなかったものとしてその判定を行うものとされています(財産評価基本通達189なお書)。
 
そのため、長期計画的に対策に取り組むことが必要となります。これを機に、グループ経営の観点から組織を見直すことを検討されてはいかがでしょうか。
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