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証券新聞20100819

2010-08-19 (Thu) 11:29
Q.先日私の父より、事業承継の一環で父が保有する非上場会社株式を私に譲りたいという相談を受けました。非上場会社の経営は父が行っており、同社の株式の100%を保有しています。株式を譲る方法として今のところ贈与を考えているとのことですが、こういった非上場会社の株式は一般的にどのような評価方法が定められていますか。
また、昨今の不景気の中幸いにも同社の業績は好調で、二期連続で過去最高益を更新しています。株式の評価を行うにあたり考慮すべき事項はありますでしょうか。
20100819
 

A. ご質問いただいた非上場会社株式の一般的な評価方法ですが、原則的評価方法として
純資産価額方式と類似業種比準方式とが財産評価基本通達にて定められています。
純資産価額方式とは、その会社の純資産価額を測定し、それに基づいて評価する方法です。

具体的には、評価の対象となる会社の各資産を財産評価基本通達によって評価した金額の合計額から
各負債の金額を差し引き、法人税額等相当額を控除した金額で評価します。
類似業種比準方式は、類似業種の株価並びに1株当たりの配当金額、年利益金額及び純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)を基礎として算定する方法です。

原則として、これら2つの評価方法を組み合わせて(または選択により)評価額を算定しますが、
どのように組み合わせるかについては、会社の規模によって異なります。
 
その他、一定の場合に認められる配当還元方式(配当金額を10%の利率で割り戻した数値を基に算定する方法)や、土地または株式の保有割合が高い会社、開業後3年未満である会社等について定められる別途の評価方法もあります。

続いて業績が好調の場合に留意すべき事項についてです。業績が好調であることは当然ながら望ましいことですが、こと財産評価を考えるにあたっては不利に、つまり評価額が大きくなります。
例えば、業績が好調で毎年利益が生じている場合、利益が計上されることで純資産がその分積み上がっていくことになります。そのため、純資産の金額に基づき評価を行う純資産価額方式による評価額も
これに応じて増加していくこととなります。また、類似業種比準方式の場合は、1株当たりの年利益金額が
算式上重視されていますので、利益の増加により株式の評価額が増加します。

さらに純資産価額方式では営業権の評価に注意が必要です。純資産価額方式においては、
帳簿上計上されていなくとも、一定の利益を得ており超過収益力があると認められる場合には、
これを営業権として加算する必要があります。営業権の評価は財産評価基本通達に定められており、
次の通りです。
営業権の評価額=
超過利益金額(※)×
営業権の持続年数(原則として10年)に応ずる基準年利率による複利年金現価率
(※)超過利益金額=平均利益金額×0.5-標準企業者報酬額-総資産価額×0.05

平均利益金額(法人の場合)とは、課税時期の直前期末以前3年間における所得の金額の合計額の3分の1に相当する金額と、課税時期の直前期末以前1年間の所得の金額のいずれか低い方の金額となります。ただしその所得の金額に次に掲げる金額が含まれているときは、これらの金額は、いずれもなかったものとみなして計算します。
イ 非経常的な損益の額
ロ 借入金等に対する支払利子の額及び社債発行差金の償却費の額
ハ 損金に算入された役員給与の額(法人の場合)
標準企業者報酬は、平均利益金額の水準に応じて定められるもので、次の通りです。
平均利益金額の区分
標準企業者報酬額
1億円以下
平均利益金額 x 0.3 + 1,000万円
1億円超 3億円以下
平均利益金額 x 0.2 + 2,000万円
3億円超 5億円以下
平均利益金額 x 0.1 + 5,000万円
5億円超
平均利益金額 x 0.05 + 7,500万円
総資産価額は、財産評価基本通達の定めるところにより評価した企業の総資産の価額です(法人の場合は課税時期直前の終了事業年度の末日時点のもの)。